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2005年 08月 30日

日本人の特殊性(2):仕事の責任

日本人の働き方は働き蜂のようにみなされ、ひたすら働いているように外国人から思われているようですが、確かに長時間労働、サービス残業というような側面からはそうかも知れません。しかし、仕事の質に関して日本人の仕事は極めて優秀だと思われます。

というのは、日本人の優秀な担当者というのはいつも組織全体のためにという大きな目的を意識し、目標の達成に向かって努力をしているように思われるからです。担当者の不始末は会社の不始末というような意識が強くあるのも日本の社会の特徴ではないでしょうか。

外国ではこのような高度な担当者の意識を発見することは極めて稀なような気がします。担当者は自分に与えられた仕事をするだけで、その任務の意味や真の目的などを考えようともしないのが普通です。ですから上司は的確な指示を出さないといけないし、担当者はそれを忠実に遂行するという役割分担が明確になります。

日本の組織における仕事の責任は、連帯責任の形でうやむやになりますが、西欧型の役割分担の中では責任問題は明確になりますね。責任の明確さという点では西欧型の方法がすっきりするかも知れません。日本の場合、連帯責任で最後には幹部が責任をとるのかと思うと、担当者が首を切られてお仕舞いなんてケースもあるから要注意ですね。

イランの職人たちの仕事をみていると、自分の仕事は自信も持っているし、それなりにやるようですが、建物物の工事などの場合、しばしば工事が停止してしまいます。例えばカーテンの施工の場合、どうしてなかなか進まないのかを訊ねれば、生地を注文したけどそれがまだ届かないというような理由が返って来ます。自分の仕事の領分でないところはもう自分の責任ではないということで涼しい顔をしています。

それでいて、請け負う時には何日までにカーテンを付けるというようなことを約束するのですから困ったものです。すべて順調に行けばという条件があることを忘れてはいけないようです。本当にできるのかと確認しようものなら、インシャアッラーという表現が登場することになります。

日本人の発想で仕事が遅れたときに苦情を言っても、まったく通用しないということはしょっちゅうです。個人個人がそうなら会社全体までそういう論理で動きますから、歯車が噛み合うことはないでしょう。会社の従業員はまず自分たちの労働環境が重要です。お客さんが行列を作っていようが長時間立っていようが、そんなことよりは自分たちの昼飯が大事だし、勤務時間が終わればさっさと窓口を閉めてしまいます。業務上問題があるなら管理者の責任ということなのでしょう。

国際機関の仕事は西欧型で動いています。それでも各自がきっちり仕事をすれば全体の歯車も動くというもので、この方法で仕事が上手く行かないということではないと思います。日本型の仕事では、部下、担当者が知能を持って動くので、それが時として逆目に出ることがないとは言えないでしょう。

軍隊では囮作戦もありますから、小隊が妙に知性を持っていては困る場合もあるでしょう。これは作戦がおかしいと現場の部隊が判断して違った行動をとったら、作戦本部の作った計画が遂行できないことになりますね。戦争映画ではしばしばこのことがテーマになり、ヒューマン・ドラマが展開されたりします。作戦本部はヒーローの勝手な行動に歯軋りしながら推移を見守り、最後にヒーローは無事に任務を遂行するという筋書きや、任務終了後に作戦本部にいる悪者をとっちめるなんてストーリーを思い出しませんか。

日本では担当者はまるで社長であるような対応をとることがありますね。レストランでウエイターに食事の味が不味いと言えば、申し訳ありませんと答えるかも知れません。本人は運んでいるだけですから、注文を聞き間違えたりしない限りは本人の責任ではないのでしょうけどね。担当者でありながら、お客様と会社との関係を考えるというのはやはり日本的だと思います。
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by elderman | 2005-08-30 19:36 | えるだま雑記【案内画面】


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