えるだま・・・世界の国から

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2007年 12月 20日

遥かなる遺産 Par6(12)

岡野とアツーサは、宇宙船に乗ってカスピ海に向かっている。

「ミスター・岡野、お疲れ様でした」
「アツーサもよく頑張ったね」
「いいえ」
「アーリマンの憑依したダルヴィシュに時間を与えたらどんな武器を開発するか、考えるだけでも恐ろしい」
「しかも、狂ったミトラのパワーを持つナスリンがついているのですから、想像を絶することになりそうです」

ともあれ、危機は去った。岡野はしばしの沈黙の後、アツーサに言った。

「ちょっとやりたいことがあるんだけど」
「まだ何か?」
「ずっと考えていたことなんだけど、これは宇宙船じゃないと思うんだ」
「え?では何だというのでしょうか?」
「タイムマシンじゃないかと思っている」
「タイムマシンですか?」
「平山さんの言っていたミソラ、アリマ、マツダたちは宇宙人ではなくて、未来から来た人類じゃないかと思うんだ」
「日本人の子孫でしょうか?」
「そうだろうと思う」

アツーサは、前に平山が日本とペルシャがずい分昔から関係していたことに感心していたことを思い出した。岡野の話では、さらに大昔に日本とペルシャが関係していたということになる。日本と言っても、遥か未来の日本ではあるが。

「ミスター・岡野、タイムマシンがどうして宇宙船の形をしているのでしょうか?」
「それはね、突然物質が現れたり、消えたりしたら、物理的には大変なことになるからじゃないかな」
「物理のことはよく分かりませんけど」
「突然物質が現れたら核爆発以上のことが起きるかも知れないし、あるいは、地下深くに現れても困るんじゃないか?」
「ということは、真空な宇宙空間で、ということですか?」
「そういうことだね。だから宇宙船と同じに見える」

この説明で、アツーサは宇宙船の形をしたタイムマシンという岡野の説を理解したようだ。そして、別な疑問が浮かんだようだ。

「でも、どうしてあの三人が過去に行って、いろいろなことをしたのでしょう?」
「そこなんだ、ずっと分からなかったことなんだ。目的を持って行ったようではないんでね」
「そうですね」
「万が一の事故か何かで、ひょっとして地球だと思わなかったんじゃないかなぁ」
「・・・」
「未来の地球はもっと違った姿をしているのかも知れないよ」
「気候変動とかでしょうか?」
「そうかも知れないし、核戦争があったかも知れないし、私たちにその理由は分からないけどね」
「・・・」
「未来の宇宙空間の移動方法を知るのには、時空に対する理解が必要かも知れないな」
「宇宙船を研究すれば分かるかも知れませんね」
「いや、今の時代でそれをやってしまうと、とても危険なことになるでしょう」
「はい、ミスター・平山も言ってました」
「アツーサ、でも、ちょっとやりたいことがあるので、このタイムマシンの操作方法だけを調べてほしいのだが」

(つづく)

(注)こちらはフィクションですから人名など実在するものとは一切関係ありません。
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by elderman | 2007-12-20 04:40


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