2007年 07月 22日
花の名前を覚えたからといっても、当の花自身にはそんなことはまったく関係ないでしょうね。きちんと面倒みてもらえば、活き活きするでしょうから、それは嬉しいのでしょうけどね。野草の花は、人間に見てもらってもあまり関係はなさそうです。でも、広い意味で環境保護ということでその存在が守られれば植物にとってとてもいいことでしょう。 私が衝動的に花の名前を覚えようと始めたのは、2003年の春からです。イランにいるときに突如として思い立ったのでした。イランだと花の種類が少ないから、覚えやすいだろうなんて甘い考えもありました。園芸種などは日本より種類が少ないとは言えますが、野草は無数です。 私は、花の名前を調べるのに科に注目しています。どの科なのか分かれば、比較的早く花の名前を調べることができるからです。科の分類は、植物の特徴から分類されているので、とても便利です。そして、世界のどこに分布しているものなのかというのも大体見当がつくようになります。 日本の花だと思っていたものが、そうではなかったり、日本の花が外国で見られたり、同じような種類の花が世界の各地で違った進化をとげていたり、同じ科、属でも、地域によって色や形が違ったり、ますます興味が尽きなくなって来ています。 私が興味を持つことについていろいろ考えてみると、どうも横断的に見ることが好きなようです。一つの分野を深く研究するというよりも、全体をみて部分を考えるというところに興味を覚えるようです。文化・習慣、言語・民族、歴史などについてはまさにそういう視点でした。植物に関してまで、そういう視点に至るとは思ってもいませんでした。 野生種、原種などの分布も面白いし、園芸種の作出の傾向を知ることも楽しいことです。外来種がどこに帰化しているかというのもなかなか興味深いテーマだと思います。これは環境問題と関係していますからね。植物の生態を知らないと、こういうことも考えられないから、植物に関してもっと知らなければいけないことが多いようです。 植物に興味を持ってから、熱帯の国に長く滞在できたことはとても貴重な経験でした。熱帯の植物には変わったものが多くみられるので、それ自体でも面白いのですが、どの科に属する植物なのかさえよく分からないものが多く、これまでの知識の浅薄さを気づかせてくれました。 私は基本的に和名で花の名前を覚えたいと思っていますが、世界の花を調べるのには、どうしても学名が必要になります。逆に言えば、学名がないと、外国の花に関してはお手上げ状態になりますから、非常にありがたい世界共通の言語といえます。 学名はラテン語で記述されるので、読み方に問題があります。正しい読み方というものが、そもそもないようで、イタリア語訛、ドイツ語訛、英語訛で読まれ、日本語のカタカナ表記にもその影響が表れています。どれかに統一したいところですが、園芸種など英語訛の表記が多いので、悩ましいところです。 ようやく1580種類の植物写真のコレクションに到達しましたが、これは言ってみれば傘の骨のようなもの、まだボロボロな状態です。今回のタイ滞在で約200種類を追加できましたが、これは予想していた以上の成果でした。タイ語は読めませんから、本当に学名の恩恵にあずかりました。
by elderman
| 2007-07-22 01:33
| えるだまの観察
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海外在住13年余、渡航国数は40か国です。海外在住と海外旅行の記事、世界の花の写真、エッセイなど盛りだくさんです。現在は日本在住です。★お気楽にコメントをいただければ大変嬉しく思います。 by elderman カレンダー
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