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えるだま・・・世界の国から

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2007年 04月 12日

滅私奉公

「滅私奉公」、今回は言葉シリーズではありません。意味は読んだとおりですから、分かりやすいですね。現在、この言葉が死語になっているかどうかは分かりませんが、それでも日本人の心の中にある「美徳」なのかも知れません。もちろん、私は美徳だなんて思ってはいませんけどね。

今朝、TVを見ていたら、ドイツで開催されるG7の事前会議だと思いますが、担当相が家族との休暇を楽しむために欠席とあり、代わりに副大臣が出席すると報道されていました。そのことについて、有名な○の○んた氏が「けしからん」と興奮気味に言っていたいました。

私は日本国内では、10人中9人までが同じ意見を言うかも知れないなぁと感じたのですが、日本人向けの放送ですから、まぁ、いいのかなぁと思いましたが、ドイツ人はちょっと違うんじゃないかなぁとも思いました。10人中5人くらいは、「けしからん」ではなくて「しょうがないんじゃない」という反応じゃないかと思ったからです。

滅私奉公というのは、すごい言葉だと思いますね。私情を抑えて、公に奉るというのですから、大変なものです。本当にこんなことを求められ、実行するなら、家庭崩壊が起きてもしょうがないんじゃないかなぁ。日本の伝統的な価値観では、それを防ぐ役割を家にいる奥様が負っているということなのでしょう。

日本人の場合、ある仕事を頑張ってもできないとき、働く時間を延長してまで一層の踏ん張りをみせますね。それが一生懸命仕事に取り組んでいると好意的に受け止められます。そして、他の人が頑張っているなら自分もそれだけ頑張らないといけないということになりますね。

旧社会主義の一部の国を除いて、どこの国の人だって一生懸命働くものです。ただ自分の時間をどのくらい大切にするか、家族と一緒にいる時間をどれだけ重要に思うか、そこが違うんじゃないかと思います。東アジアの国を除いて、一般的には勤務時間が終われば、さっさと帰宅するものです。平日でも勤務時間が終われば、映画を観たり、パーティをやったり、会食を楽しんだりできます。サマータイムの導入は、こういう楽しみを助長してくれます。

遅くまで働いて、家でも家事や育児で追い回され、疲れて寝るだけ、週末はぐったりして午前中は疲労回復のために寝ているというパターンは結構一般的じゃないでしょうか。ゴルフやサーフィンで早朝から遊びに出掛けるという人もいますが、大変な体力ですね。勤務時間中に息抜きが可能でないとできないんじゃないかと勘繰ってしまいます。

自分の時間を大切にする、楽しむために生きているという価値観を強く持っているのがラテン人ですが、フランス人もラテン人です。そのフランスで、少子化にストップがかかり現在注目を集めていますね。子供を持つということに対して、徹底的に国や社会が援助しないと忙しい現代社会では少子化は避けられないと思います。

何を大事にするか、こういう点を日本も学んでほしいと思います。昨今の人材を大事にしない、即戦力、成果主義という厳しい社会情勢の中、根本的な見直しが必要なのではないでしょうか。そして、そもそも人生や生き方への価値観を考え直してもいいと思います。

人があっての社会であり国です。その人が健全な生活を営めないとしたら、経済大国もまったく意味がないのではないでしょうか。外国の視点で見れば、いい車に乗って小さな家に住んでいるというふうにしか見えないと思いますけど・・・

(冬のシャンゼリゼ・・・明るいうちに帰宅したいものですね)
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by elderman | 2007-04-12 10:35 | えるだまの観察


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