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えるだま・・・世界の国から

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2007年 02月 06日

言葉シリーズ(2)ひもじい

「ひもじい」という意味は簡単ですが、妙な言葉ですね。形容詞として使われますから、どこかのお爺さんを指している訳ではありませんね。

実は、この語源は、「ひだるい」なんです。漢字もありますが、画数の多い漢字だし、不必要なので紹介はしませんが、こちらが正しい表現ということになります。では、「ひだるい」がどうして「ひもじい」になったのでしょうか。

これは、日本人の言葉の文化というものでしょうか、「ひだるい」と直接言わないで、「ひ」文字と表して、それが形容詞形に変化したものだそうです。年配の方なら、「ほ」の字なんて言い方はご存知でしょう。「ひもじ」のようなものを「文字詞」(もじことば)というのだそうで、直接言うことを避けて単語の語頭音節だけを残して、「文字」という言葉を添えて作ったものです。

では、「しゃもじ」というのも同じなのでしょうか。「杓文字」と書きますから、共通性がありそうです。調べてみると、実際、「杓子」に「文字」をつけて出来た言葉でした。こういう言い方を女房詞(にょうぼうことば)というそうです。女房詞の中で特に文字詞と呼ばれるそうです。

さらに、「かもじ」ではどうでしょうか。こちらは「髪文字」とも書きますが、一つの漢字も存在しています。広辞苑を調べると、①(女房詞)髪と書かれています。こちらの名詞も文字詞ですね。

調べを進めると、この類の単語はたくさんありました。「おくもじ」(奥さん)、「おくもじ」(苦労)、「おめもじ」(御目にかかる)、「こもじ」(鯉)、「すもじ」(寿司)、「にもじ」(ニンニク)、「はもじい」(恥ずかしい)、「ひともじ」(ネギ)、「ふたもじ」(ニラ)、「ゆもじ」(浴衣)、などなどです。
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by elderman | 2007-02-06 07:29 | えるだまの観察


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