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えるだま・・・世界の国から

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2007年 01月 19日

チョガー・ザンビルのジグラット(3)

(こちらの原稿は、消滅してしまった旧ブログに掲載したものです。既に読まれた方はパスしてくださいね。)

このジグラット、1935年に発見されたといいますから、遺跡としては相当新しいものと言えるでしょう。このジグラットはバムの城砦とは違って自然の地形を利用したのではなく、平坦な土地に造り上げたものだそうです。50mの高さというのはその当時としては驚くべき高さだったんではないかと想像できますね。

このジグラットが煌びやかな姿をみせていた時代、この周辺は緑豊かな土地だったと思われます。多分農耕にも向いた肥沃な土地だったのではないでしょうか。気候変動の怖さを知る思いです。一説によれば開発のために自然破壊が進んで沙漠化したのではないかとも言われています。

このジグラットだけでなく、その周囲にはいくつもの神殿、王宮、ハーレム、住宅があったことでしょう。ジグラットしか残っていない今となっては当時の絢爛さを偲ぶ手立てはないようです。3,300年前という気の遠くなるような時間の経過を感じます。それにしてもこの地に誰かが住み、生活していたんだと思うと、自分が同じ人類の末裔なのだという気がしてきます。

ジグラットには生け贄用の台もあります。写真の回りに群がっているのは旅行でしょうか、学校の生徒たちです。ツアーガイドによると子供たちはアラビア系イラン人だと言っていました。この地域ではイラン人もアラビア人も生まれた国が違うというだけで国籍が違っているようなものです。

生け贄用の台

生け贄には羊が使われたと考えられています。まさか人間を生け贄にしたりはしていないでしょう。拝火教だったのだろうと思います。あるいはその前のミトラ教かも知れません。ミトラ教はキリスト教にも仏教にも影響を与えています。

因みに、現在イランでは女性の名前に、このミトラという名前を使っています。ゾロアスターが半神半人ですが、ミトラは見えない神様です。ペルシャ帝国のアケメネス朝の王族はミトラ教と拝火教の両方を信仰したとも文献には書かれていました。
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浄水施設

ジグラットから少し離れたところに水道の施設がありました。遠くから水を引いて浄水しているのだと思います。底までの深さは3m程度ですからそれほど大きな施設ではありません。複雑な水の経路になっていて順次濾過していくような構造に見えました。私のこの解釈が正しいかどうかはよく分かりません。
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(棺の地下保管室)
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by elderman | 2007-01-19 08:39


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