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えるだま・・・世界の国から

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2006年 09月 17日

国際協力について(6)独立行政法人

JICAは、2003年に「国際協力事業団」から「国際協力機構」と名前を変え、独立行政法人に変わりました。JICAというアルファベットの略称は既に世界的に有名なため、そのままにしたのだと思います。因みに、外国では「ジャイカ」だけでなく「ジカ」、「ヒカ」などとも呼ばれています。

名称は変わりましたが、「政府ベースの技術協力等を実施する機関」という基本的業務に変化はありません。政府ベースですから、外務省の外郭団体と言っても間違いではないでしょう。年間、約1,600億円という交付金が国から支払われています。

現在のODA全体でGDPの0.1%程度のはずです。現在の国際世論では、GDPの0.7%が望ましいと言われていますが、経済大国の日本にこの比率を当てはめるのには無理があると思います。ともあれ、JICAへの交付金は、GDP比で0.03%程度になります。

因みに主要国のGDPをみてみましょうか。2004年の統計です。

1.米国  117,118億ドル
2.日本   46,228億ドル
3.ドイツ   27,405億ドル
4.イギリス  21,244億ドル
5.フランス  20,466億ドル
6.中国   19,317億ドル
7.イタリア  16,778億ドル

参考 韓国  6,797億ドル
    インド  6,911億ドル
    ブラジル 6、040億ドル

という訳で、日本は依然として経済大国なのです。国内にいると経済大国という実感は持てませんが、米国には桁外れの億万長者がいるので平均をとってもあまり意味がありません。一人当たりのGDPでみると米国よりも裕福な国民と言えるでしょう。

せっかくですから、一番裕福な国を探してみましょうか。それは、ルクセンブルグでした。日本人よりも1.6倍も裕福という統計です。二位はノルウェーです。日本は世界で6位です。

そういう状況の中、ODAの予算が、国際世論に反して年々減少しているというのは実態です。それがいいか悪いかは個人個人でいろいろな意見があると思います。統計の数値の上で日本は経済大国ですが、まだまだ経済は順調だとは言えない現状ですからね。

閑話休題、独立行政法人と変更されたJICAはどう変わったのでしょうか。厳密な意味での間違いを恐れずに言えば、独立した分、事業活動に対して責任を持つようになったと言えると思います。単なる実行機関であるならば、成功、失敗というものはあまり問題にされなかったものです。

ということで、現在のJICAは、緒方貞子理事長の下、「成果主義」、「現場主義」の二つのテーマを掲げて活動しています。


(参考)【国際協力を日本の文化に】・・・緒方理事長のメッセージ

貧困、紛争、環境破壊、エイズなどの感染症の蔓延、食糧問題など、地球規模の問題は今世紀に入り、ますます深刻化しています。また、貧富の差はさらに拡大しています。グローバル化が進む現在、これらはいずれも私たち日本人にとっても遠い世界の問題ではありません。日本も国際社会の一員として、世界の国々と協調しながら解決の道を模索していかねばならないのです。

日本にとって、ODA(政府開発援助)は、国際貢献の主要な手段です。ODAの一端を担うJICA(国際協力機構)は、「日本の平和と繁栄は、世界の平和と安定なくしてはありえない」という考えのもと、平和で豊かな世界の実現をめざして日々努力しています。

国際協力を行うにあたって、JICAが心がけていることが三点あります。第一に、開発途上国のニーズに的確にかつ迅速に応えられるよう、現場の声、現場の目を大切にすること。第二に「人間の安全保障」の視点を取り入れて活動すること。そして第三に、独立行政法人として、事業の効果・効率性をいっそう高めていくことです。

世界の人々から信頼され、期待される国になるために、国際協力を日本の文化にしていきましょう。1954年にスタートした日本のODAは、2004年には50周年を迎え、そのための土壌は十分育っていると考えます。

JICAの国際協力は、日本のみなさんの理解と支持を原動力としています。JICAはこれからも、平和で豊かな世界の実現に向けて活動を進めてまいります。

by elderman | 2006-09-17 07:21 | えるだまの観察


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