えるだま・・・世界の国から

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2006年 06月 19日

イランの思い出(10)二重の虹

アパートに移って半月も過ぎた頃、正確には2002年2月16日の18時頃のことです。夕方から雷雨になりました。やがて雷雨が上がると、PCに向かっている私にシェフが声を掛けてくれました。「二重の虹が見える」というのです。二重の虹の存在は知識としては知っていましたが、実際にそれを見たのは初めてのことでした。

11階に住む私が、書斎からベランダに出てみると、北東の方向に二重の虹がくっきりと見えていました。虹の下を掘ると金があるというような・・・ 虹が地面から出ているように見えました。二重の虹が見えるためには強い太陽光が必要なようです。このときは雷雲が西から東に移動し、強烈な西日が射したからでしょう。虹の本体はかなり明るいものでした。

写真からお分かりになると思いますが、二番目の虹の色の並ぶ順番は本体の虹の反対向きです。私は物理屋なのですが、教科書に出てくる二重の虹の様子が、目の当たりにはっきり見えました。せっかくの二重の虹ですから、無粋な話はそれくらいにして・・・

イランについて1か月半が経過している頃でした。アパートに移り、生活に必要なものがぼちぼちと揃い、イランでの単身赴任生活が本格的に始まろうとしている時期でした。職場の方は、公文書による手続きが遅れているということがあって、私の執務室が用意されないままの時期でした。

挨拶や打ち合わせがあれば、職場に行けるのですが、執務室が提供されないので、私はイランにいるけど書類上は実体がないという幽霊のような存在でした。そういう事情で、私はこの頃はもっぱら、本を買って来て、イランの歴史や文化、習慣について勉強していました。

私は、仕事を始めたくても始められないというストレスを感じながら、イランでのこれからの仕事の進め方に不安を感じていた時期でした。そういう状況でしたから、この明るくて美しい二重の虹を見たときに、イランでの今後に対して明るい希望を感じたのです。

仕事の方は、その後、幸いにもなんとか軌道に乗りました。ところが、この虹のせいでインスピレーションを受けたのか、私はそれまで小説なんて書いたことがなかったのですが、突然、小説を書きたいという衝動が生まれたのです。まったく初めてのことですから、最初からまともな小説が書けるはずがありません。そこで習作ということでいくつかを書き始めたのです。

ブログでは、そのうちの何本かを載せたりしましたが、習作は10本を超えるようになりました。その中に「ペルシャの秘宝」というものがあり、現在イランでペルシャ語版で発行準備が進められているところです。オリジナルが日本語なので、イラン側が発行に関して難色を示したため、予想以上に時間が掛かってしまいました。実際、日本に帰国してから発行の許可が下りたという話を聞いたのです。

テヘラン大学の日本語教授に翻訳を頼み、出版についても全権委任して来ました。お金の問題は、秘書だったアツーサが引き続き面倒をみてくれます。イラン人には「秘宝」など関心を惹くテーマではないようですが、どうなりますか。まずは、1000部が発行されます。

(参考)  「ペルシャの秘宝」(日本語版) はこちらです。
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by elderman | 2006-06-19 10:58


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