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えるだま・・・世界の国から

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2006年 03月 01日

日本人の英語の発音について

どうして日本人が外国語を話すと、いかにも日本語のカタカナで話しているようになってしまうのでしょうか。そこのところについてちょっと考察してみたいと思います。一般的に日本人は”L”と”R”との区別ができないというのが通説のようですが、この点も含めて考察してみたいと思います。

英会話のテキストにもあるように、英語の”L”には二通りの発音があります。いわゆる、「ダークL」の存在です。これは発音の仕方というより、消えていくような音という感じです。「ビューティフル」というより「ビューティフォー」の方が、ネイティブの発音に近いですね。

末尾の”L”はそんな感じですが、そうでない部分の”L”と”R”の発音については、日本人以外の人々はかなり敏感に判別しているようです。この区別は日本人の苦手なところなので、聞くときは全体の流れで判断するしかないと思います。こちらで発音するときには、特に”L”の発音に注意していればいいことでしょう。

さて、肝心の英語らしい発音という意味では、カタカナ的発音だと全然ネイティブの発音に似ていません。これはどうしてでしょう?そこについて考えてみたいと思います。

英語には母音が日本語よりたくさんあります。日本人が苦手なのは、いわゆる曖昧母音でしょうか。これを明瞭に「ア」と発音してしまうと、英語っぽくは聴こえて来ないものです。私の経験では、紙オムツの「パンパース」というのをそのまま日本語的に発音して失敗したことがあります。

グアムでのことでしたが、米国人相手に本当に通じませんでした。「パンパース」というより「パンプース」という方が発音的には近いでしょう。これが曖昧母音です。要するに口を開かずに発音すればいいのですが、日本語の中にそういう発音がないので、つい明瞭に発音してしまうという問題なのかも知れません。

目的という「パーパス」というのも、そのままカタカナで発音すると滑稽に聴こえます。ネイティブの発音は「プーパス」に近いでしょうか。そもそも日本語にない発音ですから、カタカナで表すことには無理があります。「プ」としてしまうと、日本語特有の発音の「ウ」という緊張した音が強調されてしまいます。実際のところ、曖昧母音は「ア」でもないし、「ウ」でもありません。

日本語の母音はかなり緊張して作る作為的な音があると思います。明瞭な「ア」はいいのですが、英語の”ae”という音はまた違います。実際の音は、「エ」に近いですけど、「ア」と「エ」を一緒にしたような音です。”bad”と”bud”との違いです。

私は、日本語と英語で一番違うものが「イ」だと思っています。日本語の「イ」は口を横に広げてかなり緊張した発音ですが、英語では緊張はなく「イ」と「エ」との間のような音になります。ですから、一生懸命「ミルク」と発音すると却って通じなくなるという結果になります。この場合の原因は、”milk”の”L”の発音ではなくて「イ」の発音の方に問題があることが多いと思います。

「イ」が強調されると、英語を話す人には”e”の音として受け止められてしまうからです。”milk”が”melk”と聴こえてしまって通じないという結果をもたらします。”six”も同じことです。強く「シックス」と発音すると”sex”と聴かれてしまいます。「ミルク」は「メルク」に近い発音でしょう。

針などを意味して、「ピン」と日本人が発音する「イン」の音は英語にはありません。「ペン」に近い音です。”pen”は別にありますから、「ペン」と表記することは紛らわしいので「ピン」になりますが、そこに落とし穴があるということでしょうか。”pin”は「ピン」と「ペン」の間のような発音です。

さらに、日本語の「ウ」の音もかなり緊張を伴った発音です。口をすぼめて発音することになるでしょうが、英語では「オ」の口の形に近いままで「ウ」と発音するのが一般的だと思います。例えば「クール」というのも日本語のカタカナ的に発音するよりも、「オ」の口の形をして「クール」と発音する方がネイティブの発音に近いと思います。

この「ウ」の発音でかなり日本語的発音から脱却できると、私は考えています。英語らしく発音するという意味で、私は「イ」と「ウ」の発音の仕方がかなり大きな要素を占めていると考えています。これは英語だけでなく、スペイン語、ペルシャ語、インドネシア語、タイ語でも感じることでした。つまり、日本語の発音がちょっと一般的でないということだと思っています。

それから日本人の苦手な発音に「スィ」があります。”shi”ではなくて”si”の発音です。「スィ」と発音すればいいと思うのですが、息子が中学生の頃は苦手だと言っていました。”si”の発音が”shi”に変わるととても奇妙に聴こえます。「シリアス」って日本語になっていますが、英語では「スィアリアス」という方が近いでしょう。

最後に、日本人には子音で終わる音が苦手だということがあるでしょう。「白書」というのを「ホワイトペーパー」とカタカナで発音している日本人は結構多いものです。”t”で終わると聴こえないだろうと思うのでしょうか、”to”としてしまうようです。実際に聴こえる音は「ホワイ・ペイプー」に近いでしょうか。「プー」は曖昧母音です。

ということで、英語らしく発音するためには、母音の違いをはっきり認識することが大事ではないかということです。日本の英語の先生が、これをしっかり教えないと、いつまでもカタカナ英語から抜け出せないと思っています。

日本語にない発音に、”th”、”v”、”f”がありますが、これは気をつけて発音するしかありません。”r”の発音の秘訣は、口をすぼませて、まるで口笛を吹くようにして発音すればいいと思います。決して巻き舌にする必要はないと思っています。”ring”の発音、どうでしょうか、口笛を吹くような口の形にすれば、ネイティブらしく発音できませんか。

by elderman | 2006-03-01 02:48 | えるだまの観察


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