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2005年 12月 29日

アルハンブラ宮殿(後編)(スペイン)

チケットがないとパルタル庭園にも入れず、「なるほどしっかりやっているわい」という気分になりました。入れないので仕方なく、ゆっくりと食事を取ることにして、公園の敷地内にあり、アルハンブラ宮殿の敷地と接しているパラドール・デ・グラナダという高級ホテルのレストランに入りました。日本人の新婚さんが1組食事をしていました。我々はそこで約2時間ほど高級料理を食べてワインを飲んで一休みしました。

さて、本題はこれからです。食事の会計を済ませ、ちょっと庭園を見て来ると言って、ホテルの周囲の庭園を見て回り、実は有料セクションへの侵入を意図していたのです。安全な場所はないかと探したら、ありましたありました、ちょっと落差はありますが、安全に降りられる場所を見つけたのです。アルハンブラ宮殿内部の写真というのはこうして撮影したものです。ホテルのウエイターも戻らない日本人二人には気がつかなかったことでしょう。

王宮の内部まで見れるかと思っていましたが、そこは厳重で一回出ると再入場を許さないという監視がついていました。さすがにそこまでは突破できませんでしたが、パルタル庭園のところまでは入れたのですから、まずは納得です。出るときはフリーですから、そ知らぬ顔をして出て行ったことは言うまでもないでしょう。

フランシスコ・タルレガの作曲によるクラシック・ギターの名曲の「アルハンブラ宮殿の想い出」ですが、ようやく実際のアルハンブラ宮殿を見ることができました。この曲はアルハンブラ宮殿に行った時の印象に基づいて作曲されたそうですが、直接「アルハンブラ宮殿」の印象を曲にしたものではないと言われています。

ともあれ作曲の動機となった「アルハンブラ宮殿」ですから、曲想を感じるヒントがないか考えるのは自然の行為でしょう。名曲「アルハンブラ宮殿の想い出」にはアラブの音階を感じることはありませんから、やはり宮殿の中にあるアラブの装飾などの印象とは無縁のものと考えた方が良さそうです。

私は「アルハンブラ宮殿の想い出」という曲が、コーダ付きの三部形式をとっていることから、最初の単調のパートでは、イスラム帝国の静かな発展期を感じ、中間部ではその最盛期を偲ばせるものがあるのではないか、また最初のパートの繰り返しでは発展期の回想を行い、そしてコーダでは静かな衰退にむかって行くというイメージを持ちます。

作曲者はそのような歴史的な印象を曲にしたのではないかも知れませんが、遥かな年数の中での栄枯盛衰を想うと、なにか名曲「アルハンブラ宮殿の想い出」に通じるものがあるような気がします。この曲は美しい旋律を持っていますが、それほど甘いロマンティックなものでないことからその印象を一層強く持つのだと思います。

曲の部分的なところからみると、特に最初のパートでは2小節ごとに転調する複雑な曲作りをしています。この部分ではローマ帝国、イスラム勢力の入れ替わりによる文化の渾然たる様相と考えてもいいかも知れません。また、中間部の華やかな部分は、イスラム勢力の築いた平和な全盛期のイメージかも知れません。

雄大な時間の流れを感じながら、この曲を演奏するというのは間違っているかも知れませんが、全体に淡々としていながらも栄華というクライマックスを中間部で歌わせるというのもいい趣向でしょう。トレモロによる演奏は宮殿内部の精緻な仕上げにぴったりかも知れません。
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(アルハンブラ宮殿の遠景)
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by elderman | 2005-12-29 14:05


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