2005年 12月 17日
早くも物議を醸しているイランの新大統領のアフマディ・ネジャッド氏ですが、EUからもの凄い反発を受けています。まるでタブーに触れたような反応ですから、なんだろうと思ってしまいます。狂人の発言ではないので、そこには一理あるというものなんですけど、国際社会というのはここまで単純な発想でいいのでしょうか。 新大統領がどうしてここまで扇動的なことを言うのかその背景はよく分かりませんが、米国だけでなく、これまで比較的友好的だったEU諸国まで敵対国にしてしまうような外交戦略は決して有益なものとは思えません。イランをますます国際社会から孤立させてしまう怖れがあります。 彼の言いたいことは、ユダヤ人に対して悪いことをしたことがあると言うなら、それをした国の人たちがそれを償うべきでパレスチナ人が犠牲になるべきものではないと言いたいだけなのでしょうが、そこにユダヤ人のホロコースト問題が絡んで来ているので物議になっているようです。 さすがに保守強硬派というだけあって、新大統領の発言は強硬なものです。現在のところ国内政策ではその強硬さはまったく現れていませんが、外交に関しては頑固一徹という感じがします。柔軟性のない外交戦略というのはちょっと危険な気がしますが、これも戦術の一つなのかも知れません。 そして、さらにもしもイランが核兵器開発をしたとしてもそれのどこが悪いとまで言い切っています。もちろんその発言の背景にはイスラエルが核兵器を持っているということを批難しているということがあります。まったくの無茶苦茶な発言だとは思いませんが、それにしても過激な発言だと思います。 イラン政府に対していろいろな技術支援をしている立場の日本人としては、新大統領の過激な発言に無関心ではいられません。日本人のイランに対する印象がますます悪くなることは避けらないでしょう。
by elderman
| 2005-12-17 22:47
| えるだまの観察
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