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2005年 09月 17日

日本人の特殊性(17):暗算

今はスーパーマーケットでもどこでも買い物をした値段とお釣りが表示されるようになっていますが、その表示装置ができる前は日本では暗算で引き算をし、お釣りをもらったものです。外国では、買ったものの合計にお釣りを加えていって、差し出したお札と同額にするという方法が普通です。

日本人が暗算に強いということも背景にはあったでしょうが、思考方法にも原因があるように思えます。お釣りは出したお金から買い物分を差し引いたものという概念が強いように思えます。ですから、素直に引き算をするという具合でしょうか。引き算の暗算は単純ではないので、日本人は小さいうちから暗算の訓練をしたのでしょう。

もっとも最近は簡単な計算でも、「電卓はどこ?」ときょろきょろ探す光景は一般化していますね。それだけ電卓が一般的になりどこにでも転がっている代物になったようです。私の仕事上では、電卓の普及と数字に対する直感の欠如というのは少し気になるものです。私は物理屋なので答えのだいたいの大きさを事前に予想するという習慣がついています。今ではもう見かけない計算尺の経験でしょうか、計算尺では答えの桁は自分の頭で管理しなければいけない道具なのです。

数値に関する直感というのは、さまざまな資料に出てくる数値の信頼性に関係していまして、発展途上国にいて政府などから提供される資料をよく見ていると信じられないような数字が登場していることもしばしばなのです。数値の大きさに対してまったく感覚が働いていないから、とんでもない数字が一人歩きしているようです。計算間違い、引用間違い、単位の間違いに気がつかないままなんです。

私の仕事の関係では、本当らしい測定結果を知らないから判断できずに信じられないような数値がそのまま生かされているというケースもあります。「ppm」という百万分の1というような世界の話ですから、単位を間違えてもしょうがないとも言えるでしょうが、でも、小さいとは言えその濃度で人間の健康に影響があったりするのですから、軽視できる話ではありません。

暗算のエピソードとしてマレイシアにいたときのものがあります。詳細は忘れてしまいましたが確か面積に使っている単位がはじめてのものだったので、マレイシア人に聞こうとしていたのです。知っているというオフィサーを探し当てて聞くと、彼はとても親切な人で、長さの単位がこれこれで、メートルではこの長さというように丁寧に説明してくれたのです。で、私が「ならばこの面積はこれこれ平方メートルになりますね。」と言ったら、彼は無反応で、説明を続けているのです。そっか、まだ何かあるのかと5分くらい説明を聞いていると、親切にも彼自身が平方メートルの数字を計算しようとしているのでした。もちろん、5分後に出た結果は私がすでに表明していた数字と同じなのですが、彼の頭には残っていなかったようです。

外国で特に発展途上国で怖いことは、優秀そうな技術者に対して暗算の質問をすることです。その結果は信じられないくらいできないと聞いています。外国で親しくなった友人にはこの手の質問はしないようにしています、電卓を探せば済むことですから・・・ そんなところで妙にがっかりしたくないですからね。

ところで、イランの通貨の単位はリアルと言って、10,000リアルが120円程度です。数字の桁が大きいので未だに数字だけをみても即座に物価に換算できないで困っています。実は問題は数字の大きさだけではなくて、一般に使われている単位がもうひとつあることも原因しています。10,000リアルを1000トマンと表現します。

だから外国人の私は買い物の都度どっちの単位か確認しなければならないし、数字の桁も多いしで今でも一旦米ドルに換算して物価を感じるようにしています。これでも1ドルが8,900リアルなので暗算では難しいところです。百万リアル、百万トマン・・・ 未だにその大きさがピンと来ません。だいたい110ドルと1,100ドルくらいなのでしょう。日本の円も世界の中では数字の大きな通貨ですが、せめてそれと同様か以下が望ましいですね。イタリアのリラがユーロになって本当によかった。
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by elderman | 2005-09-17 11:40 | えるだま雑記【案内画面】


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