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2005年 09月 12日

日本人の特殊性(12):なんでも師匠

なんでも師匠というか、なんでも「道」にするのが日本人は好きですね。それで、「師匠」やら「達人」、「先生」などの尊称がたくさん用いられているようです。茶道や俳諧がそういう源になっているのでしょうか。あるいはもともとそうした気質が日本人には強いのでしょうか。

この気質はドイツ人にも見ることができます。刃物で有名な「ゾーリンゲン」なんていうのはまさに職人気質からさらに高いレベルに達しているように感じられます。フランス人は食文化でしょうか、芸術の域にまで達しているようなものを生み出していますね。

日本の特有のものとして「有田焼」など各種の陶器がありますが、これらは朝鮮半島の人々が日本に渡って来て極めたものと言われています。戦国時代以降、日本人が職人芸を好み、この職人の待遇をよくしたからだと聞いています。朝鮮半島ではただの職人としか待遇を得られなかったものが、師匠として迎え入れられたのですから悪い気はしないでしょうね。

日本人の場合、なんでも極めたいという意識がとても強いように感じます。いろいろな分野のものが発達して来たのはこの意識が強いためだと思われます。一流のもの、最高のものを求めるという真摯な姿勢は素晴らしいものですね。最近の日本ではグルメブームでこちらにもさまざまな道が誕生しているようです。ラーメンの最高峰とかどこまで意味があるかよく分かりませんけどね。

ところがこの食文化では、東南アジアのレストランではそこまでの職人気質を見受けることはまずありません。ほどほどに美味しいものを提供していればいいというような姿勢を感じます。もちろん食べる方がそこまで期待していないというのが背景にありますから、職人気質も育たないのだろうと思います。経済的発展度が向上してくればいずれは目覚めるかもしれませんが、どうもそういう問題ではないような気がします。熱帯地方の国ではしつこく物事を追求するというのはちょっと難しいかも知れません。

タイ料理は美味しいものですが、飛びっきり洗練されたタイ料理というのには遭遇したことがありません。もちろん一流ホテルのタイ料理の仕上げは美しいのですが、それは西欧の価値観を持ち込んだだけのことで、味付けは辛いものが苦手な西欧人に合わされていて、とてもタイ料理としてお勧めできるものとは思ったことがありません。

タイ人が好む、タイ料理の最高のものを食べてみたいと努力しましたが、食材として新鮮であるとか、普通に美味しいという程度のものばかりでした。タイ人の案内で行くレストランは店の構えが豪華でなかなかのものです。そして新鮮な食材、多彩なメニューで喜ばしてくれます。でも残念ながらメニューがタイ語だけなので外国人だけでは注文に困ります。味付けだって特別に指定しない限りは現地人の楽しんでいる味で楽しめます。かなり辛いので苦手な人には難しいですけどね。

マレイシアにいたときに料理の味のグレードについてマレイシア人と議論したことがありますが、残念ながら彼らを納得させることはできませんでした。包丁の切れ味なんて説明しても分かる訳がないですね。日本人の職人芸は、食材選び、包丁の性能、包丁さばき、盛り付けまで微に入り細に入りとことん完璧さを求めるようなものです。

イランで高度な職人芸と言えるのは、細密画だと思います。その他金属加工による装飾品もありますが、高度な職人芸と言えるほどのものとは思えません。また絨毯は製作に大変な手間が掛かるので高価ですが高級な芸術品と呼ぶ気はしません。同じようなものとして中国の刺繍もすごいですね。

ところで、日本では尊敬されていい学校の先生などの社会的地位が下がってしまったのは残念なことだと思います。地位が人を作るということもありますから、将来を担う大事な子供たちの教育をする職業の人たちは立派であってもらいたいものです。
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by elderman | 2005-09-12 12:28 | えるだま雑記【案内画面】 | Comments(8)
Commented by japonikk-la at 2005-09-12 14:30
うむうむ、そうですよね、日本人の最高の完成度を求めて絶えず改良するのはすごいですよね。学校の先生が出たので思ったんですが、地位が下がってしまったので良い人材が教師という職業を選ばなくなったのか、質が落ちたので地位が低くなったのかどうなんでしょうか。うちの妹も甥の教師の常識の無さに飽きれていて親からもう、先生を尊敬してないですから、子供はそういう親を見てれば、同じ様に尊敬しなくなるでしょうね。困ったもんです。とにかく妹には子供の前では先生の批判はしないようにお願いしたんですけどね。
Commented by 宇宙和里 at 2005-09-12 17:11 x
師匠や、マエストロ、何かを極める人、何かに一流である人、ってすばらしいと思います。でも、それが組織となり、単なる尊敬できる師弟関係ではなくて、それ以上にヒエラレルキーが重要視されることによって理不尽な条件や状態が起こる・・・それさえなければ、いいな~って思います。欧州などは、教会や領地問題からして、人々は嫌というほど・・・おそらく日本の士農工商以上に、関わってきたのでしょうね。でも、フシギ・・・ 人民は平等であるという民主主義をうたいながら、教会なんかでは未だに封建的ですよね~。日本は、未だそれが社会の中に根付いている気がします。日本の”先生”の地位(?)が変わってきたのは、先生になる人たちの志が、その昔とはかなり変わってきたからではないでしょうか?子供や後輩を導きたくて師・先生になるのではなく、食べるための”職業”として”先生”を選ぶ人が増えたのでは?それで、周囲の期待している先生像とギャップも出てくる・・当人達も苦しむ~。偉大な師とは、弟子をたくさん持つ人ではなく、”師”を多く育てることのできる人なのだとか。そういう視線で、子供と向き合ったら、教育現場も変わるような気がするのですが・・・。
Commented by elderman at 2005-09-12 20:49
japonikk-laさん、そうですね。^^
一昔前は教諭の初任給にゲタを履かせて人材確保するということがありましたが、景気が良くなってよい人材が教師にならないという時代もありました。バブル経済崩壊の後、教師を目指す人が増えましたが、質が向上したという話はあまり聞かないですね。先生に向いている人というのがいると思うのですが、いろいろ縛りがあるようで、実際は大変なようです。教師も教師なのですが、最近では親の質も落ちているという話もあります。どっちもどっちじゃないのかなぁ。(苦笑)
Commented by elderman at 2005-09-12 20:55
宇宙和里さん、どうも。^^
何かに一流であることというのは素晴らしいことですね。多少性格に欠点があっても許されるくらいでしょう。^^
道となるとどうしても徒弟制度ができてしまうので、技能を身につけたい人は辛抱の時代というものがあるのでしょう。能力で階級ができてしまうのはある程度は仕方がないんじゃないかな。問題は能力もないのにヒエラルキーの上にいて威張っている人なんじゃないかな。
本当に教師に向いている人がやるならいいのですが、給料をもらうための職業としてやられるとちょっと辛いですね。ほとんどの人が高学歴になってしまったため教師批判もしやすくなったという背景もあるでしょうが、親自身の躾けも必要な場合もありそうです。(苦笑)
Commented by 村野かかし at 2005-09-13 09:51 x
映画とごっちゃにしちゃいけませんが、『24の瞳』などを観ると、先生がきちんと地域社会と関わっています。ああいうことが今の日本に無いのでは? 地域とのかかわりがなくなり、学校が内向きに閉鎖的になり、ヒステリックなPTA(すんません、偏見です)の「何があっても教師の監督責任」的な言動が、さらに閉鎖度を高め――その悪循環が、結局は先生方の質をどんどん低下させていったのではないでしょうか。
社会と関わることこそが、最上の教育だと思うのです。
Commented by elderman at 2005-09-13 11:07
村野かかしさん、そうですね。^^
地域社会と関わりを持ってというのはいいテーマなのですが、今の日本の都会では地域社会というのも影が薄そうだし、悪い意味での個人主義が蔓延しているから、昔のようにはいかないのでしょう。
日本人は長時間労働でどんどん人間性を失ってしまっているように思えてなりません。勝ち組なんかにならなくていいから、もっと人間らしい時間を過ごせるといいと思うのですが、肝心の日本人がどうもそうは思っていないようで・・・ 
Commented by たま子 at 2005-09-13 21:49 x
自分の子供が大きくなった時、尊敬されたいです。

えるだまさんは知識人で、きっとジェントルマン、海外で仕事をこなし、尊敬出来る方だと思います。 知り合いでしたら、えるだまさんはまちがいなく師匠。
Commented by elderman at 2005-09-13 21:54
たま子さん、ありがとうございます。^^
とりあえず子供たちは幸いに一応尊敬してくれていますが、いずれ抜かれるかな。そう期待していましょう。^^
子供も海外での仕事を希望しているけど、現実はなかなか厳しくてねぇ。子供たちが会社でも起こしたら、用務員としてでも使ってもらいましょう。^^


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