えるだま・・・世界の国から

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2007年 12月 16日

遥かなる遺産 Part6(8)

平山とアツーサはそれほど待たなくて済んだ。ダルヴィシュたちは間もなく行動を起こしたのだ。平山たちはダルヴィシュとナスリンの後をつけた。ダルヴィシュはともかく、ナスリンはアツーサと同じような能力を持っているという。

平山たちの尾行は、目視ではなくアツーサの能力が頼りであった。あまり接近するとナスリンが気が付くかも知れないのだ。岡野のいるところには誰もいないだろうと平山は思った。他の誰かにアーリマンが憑依してしまったらダルヴィシュの夢は壊れてしまうからだ。

迷路のような通路は少し下がっているようだった。通路には水が溜まっている。冷たい地下水が靴の中に浸入して来た。

平山からは見えないところだが、岡野が地底湖に沈められている。冷たい水温のため岡野の意識は朦朧としている。ダルヴィシュが叫んだ。

「アーリマン、おお、アーリマン、どうか私のところに来ておくれ
「私はそいつよりずっと強い。ハルマゲドンを助けておくれ」

地底湖は静寂を保っている。岡野は意識を失ったようだ。アーリマンが岡野の意識を支えていたのかも知れない。岡野は冷たい水の中に沈んで行く。

ダルヴィシュの勝利の声が響いた。

「あはは、遂にやったわ!これで世界は私のものよ」

次の瞬間、

「だぁああああん」

と銃声が鳴り響いた。洞窟の中である。大きな反響を伴った。しかし、平山の狙いでは的を射ることはできなかった。平山は拳銃など扱ったことなどないのだ。

ナスリンが平山とアツーサの方を向いて、きっと睨みつけた。ナスリンの大きな瞳が燃え上がった。しかし、平山にもアツーサにも何も起きない。平山は再度拳銃を構え、狙いをつけた。

「ちっ、ダメだ」

とナスリンは吐き捨てるように言った。ダルヴィシュとナスリンは急いで地底湖から出て行った。アーリマンとミトラの分身でも銃には敵わないようだ。

平山とアツーサは、急いで岡野のところに向かった。地底湖の底は浅い。平山は水の中に足を入れて岡野を引き上げた。急いで人工呼吸をした。アツーサは、岡野の冷え切った体を手で温めている。岡野は息を吹き返した。

一方、ダルヴィシュは地底湖から急ぎ足で工場の方に向かっている。ダルヴィシュがナスリンに言った。

「ナスリン、どうしてお前のパワーが使えないの?」
「分かりません。彼らには通用しないのです」
「アツーサに通用しないのは分かるけど、どうしてあの男に通用しないの?」
「こんなことは初めてです」
「あの男もミトラの分身なの?」
「ミトラは女性にしか憑依しません」

(つづく)

(注)こちらはフィクションですから人名など実在するものとは一切関係ありません。
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by elderman | 2007-12-16 01:51 | Comments(4)
Commented by はしばみセーラ at 2007-12-16 10:17 x
おはようございます!
どんどん佳境に入っていきますね。アーリマンが岡野さんを離れてくれてホッとしました。
ハルマゲドンという言葉も出てきて、緊張の高まる最終章ですが、女の私としては、”必ず最後に愛は勝つ”結末を期待しています(^^)
Commented by MAKIAND at 2007-12-16 10:57
もしかして、平山氏にアーリマンが乗り移ったのでしょうか。うーん。明日がまちどおしい。
Commented by えるだま at 2007-12-17 05:42 x
はしばみセーラ さん、おはようございます。^^
謎の解決w目指しての最終章です。と言いながら、一層謎が深まったりして・・・
Commented by えるだま at 2007-12-17 05:43 x
MAKIANDさん、おはようございます。^^
深読みですねぇ。平山はどうしちゃったんでしょうね。


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