えるだま・・・世界の国から

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2007年 12月 04日

遥かなる遺産 Part5(13)

果てしなくホログラフィを見ていたい気分の平山だったが、意味が分からないのが辛いところだった。じっくり時間を掛けて見ればいろいろなことが分かってくるだろうと思った。平山は、岡野にも見せたいと思った。

「岡野さん、ホログラフィが見られるよ」

コクピットが近いので、少し声を大きくして叫んだ。しかし、岡野からの返事はなかった。

「岡野さーん、すごいよー!」
「どうしたのかしら?」
「何か夢中になるものでもみつけたのかな?」

平山とアツーサはコクピットに戻って行った。岡野は、そのままコクピットに座っていた。

「岡野さん、面白いものをみつけたの?」

岡野が立ち上がって振り向いた。サングラスをかけている。そして、低い声で言った。

「俺は、この宇宙船をもらうことにした」
「え?どういうこと?」
「この宇宙船は、お宝だよ」
「それはそうだよ。人類が平和に暮らせる知恵があるかも知れない」
「そんなことはどうでもいいことだ」
「おまえたちには、価値が分からないのだろう。一生贅沢をして暮らせるだけの金になる」
「岡野さん、いったい何を言っているんだ?」

アツーサが言った。

「ミスター・岡野、そのサングラス、どうしたのですか?」
「おまえたちが邪魔なんだよ」と、岡野。

岡野の手には拳銃があった。

「おまえたちには、ここで死んでもらおう」
「え?」
「ここに残れと言っているんだ」

岡野は、拳銃を平山とアツーサに向けたまま、コクピットを出て行こうとしている。

「動くな、そこにそうしていろ」
「岡野さん」
「飢え死にした頃、チョウザメの餌にしてやるよ」
「・・・」
「時間のある限り、せいぜい平和でも研究していればいいさ」

岡野はミニ・シャトルに乗り込んだ。本当に二人を置き去りにするつもりらしい。

(つづく)

(注)こちらはフィクションですから人名など実在するものとは一切関係ありません。
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by elderman | 2007-12-04 02:40 | Comments(0)


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