えるだま・・・世界の国から

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2007年 11月 21日

遥かなる遺産 Part4(14)

銃声が聞こえた。倒れたのはチャガタイであった。二人の男たちは逃げ出した。

「何があったんだ?」と岡野。
「私を見ないで撃てるはずがないでしょ」とアツーサが涼しい顔をして言った。
「他の人を撃つとは考えなかったの?」と平山。
「血がのぼれば、私を見るに決まっています」

チャガタイは死んだ訳ではなかった。アツーサが気絶させただけである。

アツーサが言った。

「その弁髪男を家に連れて来てください。完全に記憶を消してあげるから」
「うひゃぁ、怖い、怖い」と小声で岡野。
「ミスター・岡野、何か言いましたか?」
「いや、何でもありません」



テヘランに戻った平山と岡野が話をしている。

「平山さん、せっかくのミニ・シャトルだったけど惜しかったねぇ」
「どうだろうか、あれでよかったんじゃないかな」
「科学技術の進歩に貢献するだろうに」
「悪用されたら大変だ」
「平山さんは、ガリレオを認めない宗教者みたいかな」
「いや、自分たちで開発した技術ならまだしも、1000年も2000年も未来の科学技術なんて相当危険な代物になるだろう」
「そっか、我々がスルガ艦長、いや、ズルワーンの知恵を獲得するまでは危険過ぎるということか」
「残念ながら、それまでは戦争を避けることができないかも知れない」
「人類が賢くなることを期待しよう」



平山のオフィスでは、アツーサがいつものように珈琲を淹れている。軍隊はミニ・シャトルを盗まれても騒ぎ出さなかった。平山は、シャフィプール大佐が自分の責任問題になるのを恐れて、もみ消したのかも知れないと思った。

「アツーサ、ところで本物のミニ・シャトルはどこに隠したの?」
「え!ミスター・平山、どうして分かったんですか?」
「そりゃぁ、アツーサの考えていることくらい分かるよ」
「あらま、そうですか。うまくやったつもりだったんですけど」

(Part4 おわり)

(注)こちらはフィクションですから人名など実在するものとは一切関係ありません。
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by elderman | 2007-11-21 06:52 | Comments(4)
Commented by MAKIAND at 2007-11-21 11:24
ははは。やっぱり野展開でした。しかし、アツーサさんしっかりしてますね。
良い感じです。こういうのを女性にいとくのはもったいないなんていうのかもしれませんが、賢い女性は男性よリも冷静に事を進めることができると思ます。政治なども賢い女性がまとめてくれれば戦争もないのでしょうにね。
Commented by えるだま at 2007-11-21 11:29 x
MAKIANDさん、そうですか。^^
予想された線に落ち着きましたか。(笑)
まだまだ続くので、お付き合いいただければ幸いです。^^
Commented by はしばみセーラ at 2007-11-21 12:15 x
アシーサさんの見事なお手並みで、安心の中にPart4gaが終わってホッとしました。ところで、昨日から気になっていたのですが、カリムちゃんは、また誘拐されたのですか?もちろん、爆破幻覚以前にアシーサの元に帰されたのでしょうね(??)!
Part12の写真、カスピ海ですか?きれいですね~!
Commented by えるだま at 2007-11-21 13:07 x
はしばみセーラ さん、こんにちは。^^
お読みいただきましてありがとうございます。m(_ _)m
カリムのことは脅しですから、実際に誘拐されたわけではありません。
ミニシャトルを渡さないと誘拐するぞ・・・ ということでした。
ミニシャトルがある限り、カリムに危険があるので始末したということかな。
写真は、カスピ海ではありません。すいません。冗談でした。(笑)


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