えるだま・・・世界の国から

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2007年 11月 19日

遥かなる遺産 Part4(12)

「やったね、3,000年前のマシンがちゃんと動いている!」
「平山さん、どこに行くのですか?」
「決まっているじゃないか、カスピ海さ」

ミニ・シャトルは高く舞い上がった。地上ではこれを目撃した兵隊たちで大騒ぎしている。チャガタイもこの騒ぎに気がついて、車から出たが、もう後の祭である。ミニ・シャトルが飛び去る姿を見送るしかなかった。

「くそぉ!やつら、ミニ・シャトルを動かせたんだ!」

ミニ・シャトルは一気にアルボルズ山脈を越えて飛んだ。平山には、どういう仕組みなのかさっぱり分からないが、コクピットからの外の眺めは良好であった。

「アツーサ、宇宙船の位置は分かるかな?」
「今、調べています」

アツーサは後部座席から、コクピットにある計器をみている。

「その丸いレーダーみたいなのはどうでしょうか?」

平山が、スイッチを入れると黄緑色の光点が映し出された。

「ビンゴ!やったね、それが母船の位置だろう」
「平山さん、すごいね」、岡野が感心して言った。
「今の平山さんは、マツダですからね」、アツーサが微笑んで言った。
「それでは、着水の後、潜行しまーす」、平山の声は弾んでいる。

ミニ・シャトルは着水のため軽い振動を受けたが、順調であった。

「それでは、潜水して目標物に直進しまーす」、平山は快調であった。

ミニ・シャトルはどんどん深く潜行して行った。カスピ海の水深は、だいたい200mだが、深いところでは600mもある。水深の浅いうちは、太陽光のお陰で水中がよく見えたが、水深が増すにつれて暗くなって来た。

カスピ海は、アゼルバイジャン国の辺りで深くなっているようだ。ミニ・シャトルの水深は400mを超えている。

「そろそろ見えてもいい頃だが・・・」、と平山が言った。
「少し暗くなって来たね」
「湖底が見えて来ました」、とアツーサが言った。

薄暗いが湖底がなんとか見える。しかし、宇宙船の姿はなかった。

「おかしいなぁ、この先真っ直ぐのところにあるはずなんだが・・・」

平山は湖底にぶつかりそうになるまでミニ・シャトルを近づけた。しかし、それでも宇宙船の姿は見えない。そのとき、岡野が呟いた。

「ということは、宇宙船は湖の下ってことか・・・」

平山は、ミニ・シャトルの船首を上げて、Uターンした後、もう一度、黄緑色の光点を目指した。しかし、今度も見えたものは湖底でしかなかった。

(つづく)

(注)こちらはフィクションですから人名など実在するものとは一切関係ありません。

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by elderman | 2007-11-19 00:10 | Comments(4)
Commented by MAKIAND at 2007-11-19 12:58
海水にも強いんですね。空を飛ぶものかと思ってました。
Commented by えるだま at 2007-11-19 13:01 x
MAKIANDさん、覚えていますか。
Part1でカスピ海に落ちたのでした。そこからミニシャトルで陸に上がったのね。
Commented by はしばみセーラ at 2007-11-19 17:24 x
ミニシャトルの保管庫には、屋根は無かったのですか?
もし、あったとしたらやはり、特殊な技ですり抜けたんですね。

アゼルバイジャン国て、実在するのですか?

色々、疑問に思いつつも、続きが気になります(^▽^)
Commented by えるだま at 2007-11-19 19:21 x
はしばみセーラ さん、こんばんは。^^
そうか、倉庫の扉のことを記述しませんでしたね。
車二台程度の大きさのミニシャトルですから、倉庫の出入り口から簡単に出られたことだろうと思います。^^
アゼルバイジャン国、ご存知ないですかぁ・・・ イランの北側にあります。イランにはアゼルバイジャン州というのもありますが、冷戦時代に分割されたような感じです。
遥かなる遺産、引き続きお楽しみいただければ幸いです。^^


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