えるだま・・・世界の国から

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2007年 11月 07日

遥かなる遺産 Part3(16)

平山は、岡野のアパートにいる。週末に起きたことについて岡野に話をしている。

「という訳なんだ。大変だったよ」
「すごいなぁ、ミトラのパワーを目の当たりにしたってことか」
「パワーというか、幻想を見させられたということらしい」
「集団催眠の極意という訳か」
「その場にいた全員が幻想を見せられたのだからねぇ。あ、カリムには見えなかったようだけど、まだ2歳だしな」
「しかし、本当にミニ・シャトルがあったんだぁ」
「あったんだろうなぁ・・・ 本物を見た訳じゃないけど・・・」
「それもそうだな・・・」
「しかし、本物のミニ・シャトル、一体どこにあるのだろうか?」
「イランでもUFOの目撃報告はあるようだけど」
「まさか、それがミニ・シャトルだって?」
「可能性がない訳じゃないけど、限りなくゼロだね」

そこで、突然岡野は話題を変えた。

「ずっと考えていたんだけど、三人が分かれたというのは、喧嘩でもなく、不本意でもなく、必然だったような気がする」
「マツダとアリマ、そしてミソラのことか」
「ミソラ、いや、ミトラは高度な精神科学、つまり、宗教や哲学、心理学が得意で、アリマは自然科学、そして、マツダは法律のような社会科学を得意としている」
「それらが、仲良くしたらいいように思うけど」
「そこが問題なんだ。ミトラと一緒ではアリマは自由になれないだろう」
「つまり、自然科学が発達しないということか」
「倫理観・宗教観が強過ぎれば自然科学は進歩しにくく、倫理観のない自然科学の進歩というのは恐ろしいな」

平山はガリレオ・ガリレイのことを思った。ミトラのパワーが強いとアーリマンの主張が通らない。しかし、このケースではアーリマンが勝利したのだ。科学的事実が、宗教という精神文化を倒したとも言えるのではないか。

「平山さん、人類は戦争という悲劇を繰り返して来ているけど、あらゆる分野の進歩のためには、善と悪、ミトラとアーリマンとが戦いを続ける必要があるんじゃないだろうか」
「悲劇の始まりでもあり、進歩の始まりだったということか」
「どちらに偏ってもまずいことになるだろう。狂信的な宗教国家というのは困りものだし、健全な精神のない科学技術だけの先進国というのも怖いだろう」
「法律だけの国家というのも嫌だな」
「だから、善と悪が渾然として存在いる方が、健全に進歩し、進化できるというものではないだろうか」

(Part3 おわり)

(注)こちらはフィクションですから人名など実在するものとは一切関係ありません。
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by elderman | 2007-11-07 00:05 | Comments(2)
Commented by MAKIAND at 2007-11-07 12:58
またまた、こんなところで終わってしまいました。
では明日。
Commented by えるだま at 2007-11-07 13:04 x
MAKIANDさん、そうですか?
これで完結でもいいと思っていましたが。(笑)
ま、Part4に続きますので、お楽しみに。^^


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