えるだま・・・世界の国から

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2007年 07月 26日

国際協力の現場(2)専門家はどこに

国際協力の現場で働く専門家ですが、そのような専門家はどこにいるのでしょうか。開発途上国の需要に合わせた専門家ということですから、相手国政府に対して技術移転できる人が専門家と呼ばれるべきでしょう。測定機材や分析機材を使う専門家を例に挙げれば、機器メーカーの技術者でないことは明らかでしょう。機材を活かすことのできる行政経験を持つ専門家が相応しいものと考えられます。

行政経験というと公務員を指すことになりますが、公務員と専門家という言葉とでは少し違和感があるかも知れません。公務員というと頻繁な人事異動の中で行政実務をこなす人というイメージでしょうか。でも、公務員の中にも研究機関に勤務する人もいますから、専門性の高い職種もあります。

本質的には、需要に合わせて最適な人材を官民を問わず探して派遣するというのが、もっとも望ましいことでしょう。現実には、そういう人がいても所属先が派遣に協力的でないという場合が多いのですけどね。優秀であればあるほど難しいというジレンマもあります。

少し脱線するかも知れませんが、公務員と専門性について触れておきたいと思います。公務員の特に技術系でも、ある課題に関して専門であるということはまずありません。しかし、国でも地方公共団体でも、問題のあるテーマに関しては大学教授などの学識経験者から構成される専門員会なるものを組織して、効率的に情報収集を行うことができます。これは役所の持つ公共性という大きな力だと思います。民間では、相当な報酬を用意しないとそんなことはできないでしょう。

ですから、公務員でもそのような仕事を担当した職員は相当な専門性を有する人材に育つものです。しかも、行政の人間ですから研究一筋というのとは違います。こういう人材は、まさに国際協力の専門家として相応しいものと考えられます。ただ、そういう人材が派遣できるかどうかという別な問題があります。所属組織が認めなければ専門家としての派遣はありません。

一方、国でも地方でも技術的な仕事を民間コンサルタント会社に委託して進めるということがあります。そういう仕事を請け負うコンサルタント会社の人たちは、自分たちこそ専門性があると自負していることと思います。実際、多くの技術的仕事がこういうコンサルタント会社によって進められています。行政はその結果を利用するということになります。

ちょっとここで、私の個人的な意見を述べたいと思います。日本のコンサルタント会社の地位はどうしてこれほど低いのでしょうか。常々疑問に思っています。医者、弁護士に匹敵するような特殊技術、能力を発揮して仕事をする割には、お金で雇われているという扱いを受けています。私の言いたいのは、この点ではなくて、むしろそのせいか日本のコンサルタント会社は卑屈になってしまっているように見受けられるということです。

国はともかく、地方公共団体ではコンサルタント会社の担当者の方が学歴が高いということは普通に見られることです。それでも、お金を払う方が偉いという昔からの概念のまま扱われているのがコンサルタント会社ではないかと思ってしまいます。私は役人時代、コンサルタントの会社のスタッフであっても能力のある人にはそれなりの敬意を払って対応してきたつもりです。

健全なコンサルタント会社もありますが、国際協力の仕事の中でも、頻繁に談合やら不正を行って指名停止処分を受けているコンサルタント会社のいかに多いことか。これが、私の言う卑屈になってしまっているという結果です。今はお金の世の中、私がそんなことを言っても、何も変わらないかも知れませんけどね。

コンサルタント会社にもピンからキリまでありますが、国際協力分野にも需要に合わせていろいろなコンサルタント会社が存在しています。ゼネコン並みの大規模なコンサルタント会社もあるかと思えば、一匹狼のような人もいます。逆に言えば、儲けになる話があれば、必ずコンサルタント会社があると言っても過言ではないでしょう。

民間としてコンサルタント会社ではなく、大手企業などにいる技術者について触れませんでしたが、もちろん専門家として相応しい人たちが大勢います。ただ問題なのは、第一線で働く民間の技術者が国際協力に参加してくれるかどうかということがあります。本人にその気があったとしても、会社での仕事がありますから、現実問題としてかなり難しいといえます。

現実的には、専門家として相応しい能力を持った方が会社を定年退職され、フリーになったときがチャンスといえるでしょう。こういう形で国際協力に入られ、エネルギッシュに活躍されている方々を多く存じ上げております。

(つづく)

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by elderman | 2007-07-26 00:05 | えるだまの観察 | Comments(7)
Commented by mintogreen at 2007-07-26 01:19
えるだまさん、こんばんは。
ご無沙汰いたしておりました~。^^
↓の記事も、ざ~と読ませていただきました。
が、また読み直さなくっちゃ。^^
えるだまさんの国際協力の記事は、大変興味深い記事です。
ただ、(1)のコメントでお返ししているように、ある意味暴露記事とも言えますが、事実を書いているので良いのではないでしょうか。
せっかくの人材が上手く生かされない事実は、もう少し考えていかなければならない問題ですね。
相手国は、ハード面の要求だけでなく、技術レベルをあげる事に真剣になって欲しいですね。
目的がなんであるかをよ~く考え、違う事に奔放するという無駄が無くなれば、より良い技術レベルアップに繋がるのにね。
上手くかみ合わないもんですね。

しかし、もったいないな~、えるだまさん。

あ、写真の顔、真っ黒!!いいぞ~!^^
Commented by えるだま at 2007-07-26 01:41 x
mintogreenさん、こんばんは。^^
お久し振りになってしまいましたね。でも、お元気そうでなによりです。
興味本位で書いている訳ではありませんが、国際協力というのは違う国同士の関係ですから、いろいろ無駄もあるし失敗もあるものだと思います。お金が掛かるプロジェクトなど大きな仕事ですから、それに関連していろいろな思惑もあるでしょう。お金儲けのために動く人もいるでしょう。
そんな中で少しでもまともな方向で国際協力が進むといいと思います。ところが、現実は一層無意味な方向に向かっているようなので困ったものです。
真っ黒ですかぁ・・・ 木の下だからでしょ。(笑) (と誤魔化しておく)
Commented by MAKIAND at 2007-07-27 20:32
では、定年退職なさったかたは、きちんと報酬を得られる形でお仕事できるシステムがあるのですか。それは良かった。少しでもそんな人材にがんばっていただかなくては。
Commented by えるだま at 2007-07-27 20:38 x
MAKIANDさん、こんばんは。^^
そういう言い方でしたら、そうかも知れませんが、今のJICAでは技術も人もお金を出して雇うという姿勢が明確に出ていますから、本当に優秀な人材がそれを我慢して公募に応じるかどうかですね。人の心を失った今のJICAですから、それを越えて大人でいられるというのは大変なことだと思います。
Commented by kz1000 at 2008-12-07 01:44 x
検索していたらこのブログに行き当たりました。私はJICAにコンサルタント選定結果のデータベースの提案をしましたが断られ、自分で作ってしまいました。コンサルタントがどこで仕事をしているのかわかるようになっています。業界的に問題がないわけではありませんが、少しでもコンサルタントの情報がわかるようにと考えています。もしお時間があればご覧ください。全て無料です。
Commented by kz1000 at 2008-12-07 01:45 x
URLが表示されませんでした。URLはwww.jicis.comです。
Commented by えるだま at 2008-12-07 15:00 x
kz1000さん、こんにちは。^^
はじめまして。そうですか、大変なことですね。
拝見させていただきますね。


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