2007年 06月 21日

便利さと引き換えに失ったもの(6)

タイの田舎は不便ですが、そこにあるものを挙げると、①豊かな自然、②タイスマイル、③人々のコミュニケーション、④のんびりした日常、⑤必要最小限の物、⑥大勢の出入り、⑦安い物価(多分タイ人にとっても)、⑧親切心かな。

ないものを挙げたらキリがないですが、ない方がよくてないものとして、「怒っている姿」というのはどうでしょうか。こんなものはない方がいいですね。日本人は怒りやすい国民性なのか、比較的よく目にします。怒りまではいかなくても、日本人はよく怒鳴るしねぇ。

タイ人は人前で侮蔑されると泣くということを日本人から聞いたことがあります。そういえば、私が海外で過ごして、よく耳にし、最初に覚えてしまうのが、悪い言葉なのですが、タイではそれがありません。この文章を書いていて気がつきました。悪い言葉というのは、覚えやすいので言葉がよく分からなくても耳に残るものです。タイには比較的長く滞在していますから、それがないというのは改めて驚きました。

タイ語でバカというのは、「バー」と言うようですが、この言葉すらタイ人の口から発せられたのを聞いたことがありません。先日、10歳と8歳の子供たちが少し諍いを起こしていましたが、怒号はありませんでした。普段、怒鳴っているように声が大きいのですが、罵声を浴びせるということはないようです。

こんなことを書いていると、まるでタイに犯罪がないように思われてしまうといけないので、少し犯罪について触れておきましょう。私の海外在住で一番犯罪に遭っているのは、実はタイです。泥棒メイドに自動車保険詐欺なんてありました。犯罪の多い南米では、こちらが警戒しているせいか、幸い被害はありませんでしたけどね。

タイ人は、おおらかな性格を持っているせいか、なんでもありというところがあります。基本的に豊かな国だからなのでしょう、苦労して稼ぐというより犯罪に走りやすいようです。もちろん、こういう犯罪はバンコクのような都市部で行われるので、田舎で発生するということは少ないと思います。売春に対してもおおらかというのが問題ではありますが・・・

タイ人の感性は、40年前の日本に似ていますから、売春のみならず水商売で働く人に対しては強い偏見があるようです。スナックやカラオケバーで働いても問題はないと思うのですが、この辺は日本人とは感覚が違うようです。バンコクのカラオケバーでは連れ出しというのがあるので、全般的には怪しいと思われてもしょうがないことだとは思いますけどね。

侮蔑の表現を聞かないといったことと、このことは矛盾するようですが、水商売に対する差別意識はタイ人とよほど親しくならないと分からないと思います。タイの穀倉地帯であるイサーン(東北地方)は貧しいことで有名ですが、娘を売るなんてことが少し前まで行われていました。売られた娘はそれでも親に仕送りをするものです。娘の仕送りで大きな家を建てたなんて話もあります。

割り合い他人のことには無頓着なタイ人ですが、水商売全体については強い差別意識を持っているようです。もちろん、遊ぶときの男性がどこまで本気でそう思っているのか分かりませんが、もしも息子が水商売の女性と結婚したいなんて話になれば猛反対ということになると思います。それはそれ、これはこれ、ということなのかな。芸能界もそうじゃないかな、日本の一昔前もそうでしたが、水商売と同じようにみなされていました。今では憧れの業界なのかも知れませんが。
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by elderman | 2007-06-21 00:06 | えるだまの観察


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