えるだま・・・世界の国から

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2007年 01月 30日

浦島太郎の雑記(34)エブテカール女史

日曜日、テレビ朝日で懐かしい人をみました。私がイランに派遣されている頃、副大統領で環境局長官を務めていたエブテカール女史です。彼女は穏健改革派のハタミ大統領の時代に重用されて副大統領の一人に任命されていたのですが、保守強硬派のアフマディネジャッド大統領が就任してからは、政府から離れていました。

TVでは、久し振りに彼女の姿、インタビューをみることができました。つい最近実施された、テヘラン市議会の議員に当選したそうです。現在のイラン情勢は、米国でブッシュ政権が支持を失い、弱体化していることに反応したかのように穏健改革派が勢力を取り戻しつつあるようです。

米国が強硬に出れば、イランも保守強硬派の支持が高まるという連鎖がみてとれます。エブテカール女史は、歴史的に悪名高い米国大使館人質事件の際にスポークスマン(パーソン)をしたことで有名です。そして、その実行犯たちが、米国はテロリストと喧伝していますが、国の将来を心配した学生であったことが明らかにされています。

私は、いかなる理由があっても大使館を襲い、人質にするということは許されない行為だと考えていますし、イランのイスラム教指導者ホメイニ師がその事件を肯定したということが大きな間違いだと考えていました。しかし、物事にはそれなりの理由があるもので、少し納得はできました。

TV番組で、あの人質事件は、米国がパーフレビ国王を担いで、再度(歴史的にという意味で)王政を作り上げるのではないかということに反対し、国王を引き渡すことを要求するために実行されたことを知りました。事情は分かりますが、それでも大使館を襲い、人質をとるという行動は国際的に許されるものではありません。

エブテカール女史は、穏健改革派に属していますが、米国には何も期待していません。イランの民主化はイラン人によって実現すると言っています。米国の支援や干渉はすべて障害になるとまで言っていました。今回その主張が支持されて市議会議員に当選したのでしょう。

米国の核兵器に関するダブルスタンダード(インドの扱いとイランの扱いの差)、悪の枢軸として敵国呼ばわり、いずれもブッシュ大統領の戦略です。ところが、現在では、野党の民主党が過半数を占めるという議会になり、ブッシュ大統領のリーダーシップは地に落ちているようです。

米国の戦略だったとは言え、それに抵抗してイランの保守強硬派が勢力を伸ばしましたが、米国の姿勢次第では、イランの出方も変わるようです。対峙姿勢が解決策ではないということがこういう動きをみても明確なことですから、これからの米国の外交方針の方向転換を期待したいものです。
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by elderman | 2007-01-30 08:49 | えるだまの観察 | Comments(2)
Commented by madamkase at 2007-01-31 03:52 x
今日はアル・カイーダの残党がトルコ国内でそれもあろうことかコンヤで大量に捕まったというような
ニュースを見ましたが、トルコはやっぱりセキュリティが甘いのか、工作員達の格好の隠れ場所に
なりやすい感じです。イランとトルコの関係はよくもなし、目だって悪くもなしというところでしょうか。
しかし核兵器を所有しているしトルコにとっては油断のならない存在のようで、アフメディネジャド大統領は
やや不気味なパーソナリティを感じさせます。これからどうなるのでしょう。世界中穏健派が台頭してほしいです。
Commented by elderman at 2007-01-31 09:36
madamkaseさん、どうでしょうねぇ。
イラン人が他の国に行くとき、ビザが免除されている国というのはかなり制限されていますが、トルコとドバイはビザが免除されています。そういう意味ではトルコとイランとの関係は良好と言えるかも知れません。
核兵器を所有しているってイランがでしょうか?現時点では核兵器は所有していないと思いますが、現体制では核兵器保有に進まないとは言えないかも知れません。保守強硬派の発言は過激ですから、周囲の国は心配でしょうね。アフマディネジャッド大統領はそれほどカリスマ性があるようには見えないので、米国の対応が変われば、人気が落ちると思っています。


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