えるだま・・・世界の国から

elderman.exblog.jp
ブログトップ
2006年 09月 14日

国際協力について(3)被援助国とのギャップ

前回は日本側の国際協力について触れましたが、今回は被援助国の考え、姿勢というものについて考えてみたいと思います。日本側が良かれと考えて実行しても、相手側の考えが分からないのでは、せっかくの日本の援助や技術移転の努力が迷走してしまう可能性がありますからね。

大抵の国の政府の人々は、自分の国にないものはお金だけだという考えがあります。自尊心から来るものでしょうが、自分の国の教育水準の低さを認めても、自分は別だと考えているようです。ですから、日本側が日本の技術を移転したいと行動しても、そこにはギャップがあることが多いと思います。

問題点として最初にあげるべきものは、総論と各論とのギャップでしょうか。日本は技術大国であり、優れた技術持っているということですから、日本からの技術援助について被援助国の局長クラスの人たちは大歓迎です。被援助国から要請書が日本政府に上げられて、JICAから要請に応えられる専門家たちがやがて派遣されます。その形態は、要請に応じてプロジェクトチームであったり、開発調査と呼ばれるものであったり、個別派遣専門家であったりします。

日本人チームや専門家のカウンターパート(相手)は、大抵部長、次長クラスということになりますが、このような高官の方々は非常に多忙なことが多く、ミーティングを予約しないと打ち合わせがなかなかできないものです。そういう現状のなか、打ち合わせを済ませ、いよいよ実際の技術移転活動になりますが、この段階でギャップが鮮明になって来ることが多いと思います。

第一の問題は、ボタンの掛け違えでしょうか、日本人チームが現場に行って担当者たちと話をすると、被援助国が求めている技術移転の内容が要請書とは違っているということがあったりします。土木工学のように古い歴史を持つ分野では、日本の技術が優れているとは頭で分かっていても、その国でのやり方があるということで、技術移転に対して後ろ向きということすらあります。

また、要請に広範囲な分野が含まれていて、日本側が全部はできないので、半分くらいの範囲だけを支援するというような場合もあります。被援助国は要請の内容と違うという不満を持っているので、日本側の努力をなかなか認めてくれないということもあります。これらの場合は、打ち合わせをしたり協議をしたりして、技術移転活動を進めながらして相手方の理解を求めるということになります。

第二の問題は、タイムラグでしょうか。どこの国でも政府の中の人事異動というものはつきもです。要請書が日本に送られ、日本側が技術移転の態勢を構えて現地に乗り込んだとき、要請をした局長や担当者が異動してしまったというケースもあります。前任者の要請したことだからよく分からないというような状況が生じることがあります。

また、個別派遣専門家の場合は、そもそも個人でできる領域は限られているで、被援助国が強く求めている分野の面倒を見ることができないということもあります。この場合、さらに必要な分野の専門家の派遣を手配するということになりますが、それが実現するまでには1年くらい時間が掛かるという問題が出て来ます。

第三の問題として、被援助国の「援助馴れ」ということを上げたいと思います。開発途上国の中には、先進国からの援助に馴れてしまっている国もあり、技術移転の内容というよりも、日本から供与される機材や日本での研修制度などにだけ関心を持つ人たちがいたりします。悪い例では、局長など自分の職場の予算不足を補うつもりで日本側の援助を求めてくるということもあります。

(つづく)
[PR]

by elderman | 2006-09-14 10:06 | えるだまの観察 | Comments(0)


<< えるだまの独り言(3)パッケージ      熱帯の花(11)グアバ >>