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2006年 06月 17日

浦島太郎の雑記(19)安かろう悪かろう

昔から、「安かろう悪かろう」なんて言い方がありますが、昨今の日本の情勢を見ていると、安ければいいというような姿勢がこれまでよりも一層強く表れているような気がします。民間の場合、経費の節約は利益につながるということもあるし、経費をできるだけ安くできれば、他との競争力も強まるでしょう。

シンドラー社製のエレベータのメンテナンスを、独立系のメンテナンス会社に発注しているというのもこういう目的なのでしょう。だからと言って、私は、メーカーであるシンドラー社がメンテナンスをやればいいというような意見を持っている訳ではありません。言いたいことは、メンテナンス代を安くしたことによって一番大事な安全性が犠牲になってしまったということです。

役所や独立法人もそうです。入札という制度でとにかく安い業者に発注するということがどんどん行われています。技術水準を評価した上で、指名競争入札という制度で運用されているということもあるでしょうが、一部の手抜きまで厳しく監視することは難しそうです。結果が多少悪くても、問題が起きなければ指名停止になることはまずないでしょう。

私たちが買い物をするとき、果たして一番安いものを買うでしょうか。野菜の高値が続いていますが、それでも野菜の質を無視して一番安いものを買いますかねぇ。買う量を減らすか、あるいは買わないで代替品を探すという方がいいと思います。それでも、献立によっては絶対必要という材料もありますね。

役所の入札では談合問題が後を絶ちません。これは入札制度の持つ宿命みたいなものに思えてしまいます。参加各社が公正に競争してしまうと、利益を犠牲にしなければならない、それなら受注会社を順番に回して受注会社を決めてしまおうという対抗策を講ずることになるのでしょう。

また、受注実績をとりたい業者はダンピングに近い値引きをするかも知れません。そうなれば、競争相手は仕事にあぶれてしまいます。そこで、発注者側も最低価格を設けるという解決策を講じています。この最低価格、役所の仕事がガラス張りの今日、誰でも計算方法を知ることはできるでしょうし、年度予算の金額まで知ることができます。

価格と質、この問題は究極的な解決方法は未だにないと思います。適正価格、適正利潤というものを誰かが公正に決めることができればいいのでしょうが、そんなことはほとんど不可能でしょう。そして、価格を落とせばより重要なものが損なわれるし、談合という不正行為が行われ、必要以上の予算が使われれば、血税の無駄遣いということになります。

現在、安ければいいという方向に動いているように見えます。安全性の確保、災害の防止、質の高い成果、これらが損なわれることがなければいいのですが、あちらこちらで破綻が現れて来ているように思われます。
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by elderman | 2006-06-17 09:11 | Comments(8)
Commented by 宇宙和里 at 2006-06-17 17:52 x
こんにちわ^^。まさに、おっしゃるとおり・・・と感じました。
なぜ、協力できないのでしょうかね? ただ、談合のニュースで いつも 疑問なのは、談合がなぜ悪いのか?という点です。私の思う談合は、競争のためではなくて、協力です。私は経済のことはよく解からないけど、もっと、みんな 正直に手の内を見せればいいと思うんです。 現に、「元値は、いくらかかりました、私は、○○くらいの手間賃と労力を考えて、△△で売りたい」と値札を出す、このシステムでうまく機能している生産者と消費者がすでに出ています。自治体や消費者だって、元値を叩いてまで安く求めようなんて ”お互いの共存”を考えたら、出来ないはずです。それに見合った適当な価格というものが見えるのであれば、競争して価格を下げ、安ければいい、と飛びつくような考え方には、ならないと思うのです。 えるだまさんが書いておられる今回の安かろう~の問題は、突き詰めれば、私たちが、生活を通して、地球(温暖化)などをどう考えているかが、見えてくると思います。自分達さえよければいいのか?(安くして、注文をとる、安いものを買えればいい、)それとも、共存を考えるのか!=安全な地球、です。
Commented by elderman at 2006-06-17 18:23
宇宙和里さん、こんばんは。^^
安ければ誰の責任問題にもならず、事故が起きてから大騒ぎ。安いということにはどこかに落とし穴があるはず。最低価格を落札にしないで、下から二番目にしてみましょうか。(笑)
私は、なんでもお金で買えるというような現在の風潮にも原因があるような気がします。やる気やより良いものへの苦労なんていう見えない努力はすべて切り捨てられるような。性悪説に立つ限りは、抜け出せない問題かも知れません。
Commented by at 2006-06-17 20:31 x
このメンテの問題はとても難しい問題があります。我社でもフジ○ックのエレベーター、ダ○キンのエアコン、全てに夫々メンテ契約をしています。今ビルの総合メンテ契約なんかも含めたビル管理会社が有ります。
そういうシステムの中に潜んだ罠だったのかも分かりません。日本のビル管理のデメリットだったのかも分かりません。勿論我社にも話しは有りました。しかし、私はやはり製造会社の責任を求めてメンテも頼んでいます。契約は、面倒ですが・・・。経費は・・値切っていますから・・・。どうでしょか???今回の問題は、シンドラー社の責任回避のように思えます。記録が証明すると思うのですが・・・。夫々のエレベーターの点検の記録は有る筈ですが・・・・・・。製造した会社しかメンテが出来ないなんて・・・オカシイ・・・と思います。
Commented by elderman at 2006-06-17 21:03
華さん、こんばんは。^^
メーカーがメンテナンスをするべきだというのは暴利につながりますね。メーカーとメンテナンス会社には問題点の引継ぎなし、独立系のメンテナンス会社が機械的に作業をしているだけというのも問題でしょう。事故が起きてから、ようやく問題点にメスが入れられるのかな、今回の事件を契機にいい方向に動くといいのですが。
Commented by Mook at 2006-06-17 22:13 x
足元に火が着かないと動かないんです
Commented by elderman at 2006-06-17 22:23
Mookさん、こんばんは。^^
そうなんです、被害者にはお気の毒ですが、被害者が出ないと何も動かないという体質は昔からですね。未然防止って難しいですねぇ。
Commented by mintogreen at 2006-06-20 01:01
メーカー自身が「企業秘密」として、系列以外の保守点検業者には情報を出し渋る傾向が強いと言われるけど、人の命より会社の営利の方が優先されるなんて・・・、どこもかしこもおかしすぎる。
直したくとも、情報を得られず、修理をしたくて、部品を発注しても届くのは、遥か未来だそうで・・・。(怒)
そうこうしてるうちに、こんな事に。(怒、怒、怒)
Commented by elderman at 2006-06-20 05:22
mintogreenさん、そうですね。
致命的な事故が起きたら、メーカーの信頼が失われるので、結果としてメーカー自身が深刻なペナルティを受けることになりましたね。悪は滅びる・・・ かな。一度失った信頼というのは、その回復には相当時間が掛かりますね。


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