えるだま・・・世界の国から

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2006年 05月 31日

イランの思い出(8)使用人

どこの国でも難しいのが運転手の雇用です。知識があって真面目な男性なら運転手というような職業はやらないというものでしょう。あんまり優秀な運転手をみつけても、いい仕事をみつけて辞められてしまうということを心配するのでは困ります。

運転手の仕事というのは、目的地までちゃんと運転をするというだけでなく、待つということも大きな仕事だと思っています。私は基本的に50歳くらいの運転手を雇うことにしていますが、イランでの最初の運転手は20代の独身男性でした。

モハンマドという名前の青年、性格のいい若者にみえました。面接の際、父親が一緒に来ました。父親は日本大使館で働いていました。信用できる人間という意味では申し分ないし、躾もしっかりなされているものと考えました。

仕事をしてもらうと、やはり危惧したように若いエネルギーのせいでしょう、じっと待っているというような仕事は難しいようでした。それでも、イラン人の若者の実態を観察するのには大変面白い対象だったので2年間くらいは仕事をやってもらいました。

仕事を始めて2、3か月した頃に彼の家の夕食に招待されたことがあります。イランの家庭料理を初めて体験することができました。日本大使館で働く父親ですから、イラン人にしては高給取りなのでしょう、なかなかいい家に住んでいました。敷いてある絨毯は、私のアパートにあるものとは比較にならないような高級感のあるものでした。

夕食で本当に困ったことは、運転手の母親がもっと食べなさいと強く勧めて来ることでした。まるで日本の田舎でみかける光景のようです。しかも、私がもう食べられないと悲鳴を上げているのに、私の皿に料理をどんと入れて勧めるのです。口をつけないと悪いと思いますから、無理して食べると、そこにまたどんと来るのです。こうなると地獄の責め苦です。(苦笑)

もう、デザートも食べることはできません。物理的にもう食べられません、食道にまだ食物が詰まっているような状態でした。この招待の後、数日間は消化器系の具合が悪く、体調不良になってしまいました。やれやれ・・・ イラン人家庭への招待はもう懲り懲りだと思ったくらいです。

こういう家庭で育った運転手だったので、いろいろと問題が出ても、しばらくはこちらが我慢して雇っていましたが、若さのせいか、じっと待っていることができず、どこかに行ってしまうので、タクシーを拾うことも何回かあり、挙句飛行場から出て来る私をみつけることができないというようなこともありました。

ついに私は彼を解雇しましたが、イラン人の若者の様子を知る上で多くの情報を得ることができたことは有益でした。彼も一般的な若者の例外ではなく、あまり勉強が好きでなく、大学進学はしませんでした。運転手の仕事を辞めてから専門学校に通うようになったと聞きましたが、それはそれでよかったのではないかと思っています。

ところが、私の帰国が決まった頃、彼は父親の計らいなのでしょう、日本大使館のガードマンとして雇われていました。ガードマンもじっとしていることが多い職業ですが、高給が期待できるし、父親の監視もあるでしょうから、なんとか勤まるのではないかと思います。いい仕事にありつけたことは喜んであげたいとは思います。

この若い運転手の後は、退職した運転手を雇うことにしました。イランでは30年勤続で退職になりますから、50歳くらいで定年退職した人はたくさんいます。年金をもらっているのであまりお金に困っていない人たちです。

(運転手とプジョー405)
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(運転手の家族)
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by elderman | 2006-05-31 09:18 | Comments(12)
Commented by ひよこ.com at 2006-05-31 12:35 x
30年で引退・・・・
それは結構素敵だ・・
でも、日本には向いてないですね。
Commented by elderman at 2006-05-31 12:51
ひよこさん、こんにちは。^^
そうですね。イランでは若者の人口が多いのでいいのかも知れませんが、人によっては40代で定年ということもありえます。その後は、年金で暮らせるのですが、アルバイトで運転手をやる人が結構います。
転職した場合などでも30年が適用されるから、転職したらいつまでも働けるのかも・・・ なんか変ですけどね。
Commented by 宇宙和里 at 2006-05-31 18:06 x
こんにちわ^^。使用人の記事を読みつつ、ふと 思い出したのですが、日本人(もしくは、日本の企業、雇用主)は、金払いが良い、、、というので、人気がある、と聴いたことがあるような・・・・。人気があるって言うと変ですが、きちんと払ってくれる(買い物や、プライベートな契約でも、)という評判・信用があるようで、そんなもんかな~と思っていましたが、若かったドライバーさんが、今度は日本大使館のガードマン、と読んで、職種はなんであれ、定収入しかもきちんと払われる保障がある方が、親としては息子に薦めたくなるのかなあと思いました。よほどの政変が起こらない限り、大使館は最後まで残るし、支払いも心配ないのでしょうし。 & 確かに、運転手さんは、待つのが仕事・・・、勝手にどこかに走ってきてしまうので、メーターをチェックするとか、待っているものと思って早く戻ったら、いなくて、余計に時間がかかったとか、運転技術よりも、"待つ"ということの問題を聞きますもんね・・・。二人目の方は、どうだったのですか?続き、待ってま~す。
Commented by elderman at 2006-05-31 18:35
宇宙和里さん、こんばんは。^^
あはは、それなら私は失格です。給料日をすっかり忘れていて、翌月の3日くらいになって秘書がたまりかねて、給料を払ってくださいって言われました。そういう催促をするのは下品だという文化があるので、我慢していたのです。私は、ケロリと忘れているだけなのだからどうしてそんなこともっと早く言ってくれないのかって言いましたけど、本当にすまないことをしたと思っています。現金はいつも金庫にあるので、支払いを待たせる理由はどこにもないのですけどね。(汗)
日本大使館の給与体系は世界一律のような制度があるので、イランの現地の水準からみると特別高給に思われます。こういうところの柔軟性というのは難しいのでしょうかねぇ・・・ 
イランでは、車付きで運転手を雇っているので何Km走られても、私の関知するところではありません。一定のガソリン代しか払いませんからね。
二人目、三人目、どうしようかなぁ・・・ それほど面白くないですよ。(笑)
Commented by nekosiro at 2006-05-31 20:38 x
お久しぶりです~
運転手さんかぁ。
確かにタダ、運転が出来ればいいって訳にはいきませんよね。融通が利いて、しっかりとしていないと困ってしまいますもんね。
しかし、随分格好いい息子、そして美しい娘さんですね。
Commented by at 2006-05-31 21:47 x
運転手さんの条件。先ず、口が堅い事が、大事です。日本では、待つ事が苦痛でないように、運転手用の待合室が有り、テレビ、飲料などが用意されています。私も運転手にならないかと主人は誘います。早朝のゴルフなんて、ゴルフ場で、寝てれば良いのだから・・・・・読書も進みますし給料も付きますし、時間外は沢山取れますし・・・。憧れます。ああ、契約で、時間外無し????
Commented by mintogreen at 2006-06-01 00:40
ドライバー探しでは、ご苦労されたようですね。
なかなか難しいものがありますね。
仕事としては、待つ時間がたいくつになってしまうのでしょうね。
その間に趣味でも・・・といっても、自分の思いどうりになる時間は限られてるし。
あ~、大変そ~、待つ事って。
仕事は、どんな仕事でも大変な事はあるけど、満足感を味わう事が多少なりともあれば続けられるのでしょうけど。
難しい仕事ですね。
Commented by elderman at 2006-06-01 03:48
nekosiroさん、こんばんは。^^
運転手という仕事は大変でもありますね、何もしないで待つだけというのも辛いということは分かりますが、それが仕事ですからねぇ。
この若い運転手、見方によればハンサムでしょうし、妹も美人でしょうか。イランでは当たり前ですけどね。^^
Commented by elderman at 2006-06-01 03:53
華さん、こんばんは。^^
口の軽い運転手というのは困りますね。(笑) ペルシャ語だから何を話しているのかは分かりませんが・・・ (汗) イラン人は他人を信用しないので、むやみにプライベートな話はあまりしないんじゃないかな。
運転手という仕事、活動的な若者には向いていないと思います。私くらいの年齢になれば、ひとりでいろいろやることを見つけることができますけどね。
Commented by elderman at 2006-06-01 03:57
mintogreenさん、そうですね。^^
実労はあまりなく、待つことが多いというのは大変ではありますね。新聞を読んでいても、直ぐに終わってしまうでしょうし・・・ 結局運転手は居眠りしてますね。(笑)
Commented by madamkase at 2006-06-01 04:01 x
運転手さんのおうちに招かれたときのご馳走攻め。
トルコも同じなんですよ。
山盛りで出されてやっと食べ終わると、
「あらっ、全部きれいに食べてくれたんですか。お気に召したのねえ。じゃ、もう一杯いかが。え、もういらない? 遠慮しないでよ。あと、ピラフとマカロニと甘いものと果物と、ありますからねえ」なんてことばかり。
下を向くと逆流しそうで、上を向いて歩こう状態ですよ。
Commented by elderman at 2006-06-01 05:01
madamkase さん、こんばんは。^^
ご馳走攻め、親切な気持ちでやってくるのでしょうが、小食な私には辛いものです。(苦笑)
食べ物じゃなくて、お酒なら歓迎ですけどねぇ。(笑)
イランでは、年齢とウエストサイズは比例していますが、トルコでもそうでしょ。^^


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