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えるだま・・・世界の国から

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2006年 03月 03日

日本語と英語の発想方法について

英語をペラペラ話したいという願望を持たれている方に参考になればと、少し考察してみようと思います。日本人が英語を流暢に話せないという大きな理由には語順という問題があると思います。そして、日本人の発想はどうしても日本語の語順に影響を受けていると思います。

私は日本人の発想は、いつも目的語が最初にあるように思います。目的語になるものが頭の中に描かれて、それから話を始めていると考えています。「プレゼント」、「自動車」、「お金」・・・そういうものがまず発想されて文章が動き始めるという感じです。

「明日予定ある?」
「うん、東京に行かないといけない」
「明後日は?」
「仕事がいっぱい溜まっているんだ」

というように、質問された人は真っ先に目的語を思い浮かべていると思います。この発想だと、英語に話すのに語順の倒置という作業を頭の中でやらなくてはならなくて、その目的語を使うための動詞を探すということをしないといけません。この方法では、どうしても時間が掛かってしまいます。

英語的発想は、どうやら目的語からの発想ではないようです。つまり、最初に動詞を発想しているのだと、私は考えています。「あげる」、「ほしい」、「貯める」・・・ 動作を先に発想して、それから目的語がついて来るという感じでしょうか。目的語も動詞もどちらも大事ですから、どちらが便利とかということではなくて、発想の順序が基本的に違うと考えるべきでしょうか。

もちろん、英語を話す人だって目的語を先に発想することもあるでしょう。日本人の発想をしてしまった場合、誤魔化す手段はあります。考えていた目的語を言ってしまった場合、口から出てしまったものは引っ込めることはできないし、そのまま話を続けることがより重要でしょう。

”A good gift”と言ってしまった場合、そのまま続けて、”I want to give Mr. Bush”としてもそれほど問題はないはずです。もちろん理解されるということで、文法的に正しいものとは言えないでしょう。多分、聴いているネイティブは、”A good gift which I want to give Mr. Bush”と聴いて、続いて出てくる言葉を待っていることと思います。ここの”which”は口語では略されることが多いですから、単に名詞を形容する句が続いていると受け止められるはずです。

語順で失敗したからと言って、くじける訳にはいきません。そこで止めてしまってもいいし、”Do you have any good idea?”とつなげてしまっても、ほとんど不自然ではないでしょう。”I want to give Mr. Bush a good gift”なんて正しい語順を考えていて、話の流れを止めてしまうというのはほとんど無意味でしょう。

動詞から発想して英語で話をすると、目的語になる名詞に対していろいろと説明を後から追加できるので便利なものです。日本語の場合、形容詞句もすべて名詞の前に置いて話す必要があるので、英語を母国語にする人にとってはかなり難しい語順変更になるのではないかと思うくらいです。もっとも、日本人もこれは瞬時には難しいようで、「それ」とか「あれ」とかで誤魔化す人がいますね。

「昨日、秋葉原で買ったんだけどね、全自動の食器洗い機ってとっても便利なんだ」

正しく話すとしたら、

「昨日秋葉原で買った全自動の食器洗い機は、とっても便利なんだ」

となるでしょうが、こんなこと、語順を考えてきちんと話す日本人って少ないんじゃないかなぁ。

英語でも居直って、ブロークンでもいいから、目的語優先の日本語的発想をしてしまった場合でもなんとか修復すればいいんじゃないでしょうか。最悪の場合は、伝家の宝刀の”I mean”を使って、最初から言い直せばいいことです。”I mean”というのは強力で、前に言ったこととまったく反対のことを言っても許されるというくらいです。

by elderman | 2006-03-03 00:30 | えるだまの観察


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