えるだま・・・世界の国から

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2006年 02月 13日

呑兵衛の戯言(13)アブサン

呑兵衛のえるだまでも飲みたくない酒ってのは存在します。パキスタンに行った時のビール、ウイスキーがそうでした。禁酒国なんで何でも飲めればいいだろうと思いきや、飲まない方がましというのも存在したのです。それにしても禁酒国の癖に、これらのビール、ウイスキーがラワルピンディ産というのはどういうことでしょうねぇ・・・

個人的に苦手なのは、アブサンです。今でも美味いとは思えないのですが、もうちょっと味覚を鍛えれば美味しいと思えるようになるかもしれません。これからの楽しみにとっておくことにします。アクアヴィットのアニスの香りを美味しいと思えるようになりましたから、開眼は近いかも知れません。

私はアブサンが好きではないと書きましたが、実は本物のアブサンは製造禁止になっているので、私の飲んだのはその代用品だったはずです。代用品でも水と混ぜると白濁するので、アブサンの特徴はちゃんと持っています。私が昔ニガヨモギの味と思っていたのは多分アニスではないと思われます。

ところで禁止されたアブサンというと何か謎がありそうですね。そうなんです、麻薬と同じ効用を持つものとして第一次世界大戦の時期に各国で禁止されたのだそうです。しかし、面白いことに日本の法律では禁止されていないとのことですから、どこかの密造酒でも入手できれば日本では違法性なく飲める代物ということになります。

その麻薬的効果がどうなのかを紹介しましょう。

アブサンを特徴づけている原料はニガヨモギです。この植物は、ツヨンおよびカリオフィレンを主成分とする揮発油を2%近く含んでいますが、そのほとんどはツヨンであり、精神に対し大麻と同様の作用をもつことが報告されているそうです。

では、アブサンは飲むマリファナということになるのかというと、アブサンはアルコール単体とは異なった感覚の酔いをもたらし、それは気分を楽しくさせるものだそうです。アブサンは味わいと優れた風味で他のアルコール飲料よりもはるかに常用したくなる酒だそうです。飲んでみたくなりますね。

アブサンは禁止される前の19世紀後半にヨーロッパで大流行したそうです。特に退廃的な雰囲気につつまれた19世紀末は多くの芸術家がこの酒を絶賛し、ついには崇めるまでに至ったといいます。有名な作家をあげると、ピカソ、ゴッホ、ゴーギャン、ドガ、モネ、ロートレック、ランボー、モーパッサン、ボードレール、ヴェルレーヌ、ヘミングウェイなどなど、すごい顔ぶれです。

では、現在アブサンの代用品はどうなっているのでしょうか。

現在では、アブサンの代用品としてアニス酒あるいはアニゼットが普及していますが、これらはスピリッツやブランデーにアニスシードまたはスターアニス、リコリス、フェンネルで風味付けしたリキュールだそうです。6年くらい前にフランス人の勧めで、銘柄は忘れましたが、アブサンもどきを飲んでみましたが、やはり美味しいとは感じませんでした。フランス人の女性は美味しそうに飲んでいましたから、私の味覚の問題なのでしょう。

この代用品は、アブサンと同様、加水により白濁しますが酒自体の色は茶や黄色だそうです。中東のアラックはアニス酒のようです。17世紀に日本へ伝えられた阿楽吉酒は東アジアのアラックでアニスを含まないそうです。1年前にドバイで飲んだアニス酒は水で割ったら白濁しました。そして甘くて飲みやすかったです。

日本の法律では本物のアブサンの製造を禁止していませんが、酒造メーカーに製造する気配はないようです。サントリーが製造している「ヘルメス」レーベルのリキュールに「アブサン」がありますが、これもアニスを用いた酒でニガヨモギを主体としたアブサンではありません。私が初めて飲んだアブサンはこれだったようですが、私にはとても不味くて飲めなかったのですが、気にならないという先輩に飲んでもらいました。私の味覚がまだまだ未成熟だったというしかありません。

現在は自宅のウォッカにアニス・シードをフィルターの袋にいれて、アニスの成分を抽出したものがあります。このアニス・ウォッカ、飲むとなんだか興奮作用があるようで、不思議な気分です。癖が強いので多量には飲めませんが、ぼちぼちと楽しんでいます。
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by elderman | 2006-02-13 21:08


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