2006年 02月 01日

呑兵衛の戯言(6)ブランデー

今回はブランデーのお話です。フランスで生産されたものはコニャックと呼ばれます。厳密には、「フランス西南部シャラント川沿いの地域で産した葡萄を使用して蒸留 されたブランデーのこと」というように厳密な定義があるそうです。そんなことはともかく、ブランデーは葡萄を原料とした蒸留酒と言うことができます。

ところで、イランには葡萄から蒸留酒を造る技術がありますが、これはブランデーではなくて焼酎に近いものです。焼酎は蒸留した後直ぐに飲めるので、樽に貯蔵するブランデーとは違うということなのでしょう。イランではこの焼酎をアラグと呼んでいます。

そもそも蒸留技術の実用化はアラビア人によってなされたと言いますから、イラク、イランの辺りに蒸留技術があるのは不思議ではありません。その技術がヨーロッパに渡り、錬金術師などによってブランデーが開発されたと言います。ワインでは日持ちしませんが、ブランデーなら長期保存ができるということなのか、高いアルコール度数が得られるということなのか、いずれにしても魅力のあるものであったことでしょう。

私の若い頃はブランデーなどは夢のような存在で、ほとんど縁がなかったですね。一般的には石原裕次郎のブランデーグラスとか、水原弘がブランデーを愛飲していたということを知っていたくらいでしょうか。海外旅行も滅多にないような時代でしたから、舶来のブランデーのことも知りませんでした。

最初にブランデーと出会ったのは、大学生のときでした。たまたまもらいもののブランデーがあるということでみんなで集まって飲んだのでした。サントリーのVSOPでした。最初にしては高級なものを味わえたものです。さすがに美味しかったですが、ストレートで味わうというのはアルコール度数が強いのでちょっとつらかったかな。ブランデーというのは決まって40度なのですが、中には38度というようなものもあります。40度以上のものというのを私は見たことがありません。

サントリーVSOPのボトルは素敵なものでした。今も同じかも知れませんが、当時としては素晴らしいボトルに見えたものです。やがて経済高度成長のお陰なのでしょう、海外旅行が一般化して来て、カミュだとか、ヘネシーというような名前を知るようになりましたが、いずれも海外旅行のお土産として少し飲ませてもらった程度です。とても味を覚えるというほどではありませんでした。

醗酵させて作る製品というのは、最初は抵抗があるものだと前に書きましたが、ブランデーに限ってはそうでもないようです。高級なブランデーの香りはほとんどの人がいい香りだと言うだろうと思います。

ブランデーの飲み方は、基本的に食後酒だと思います。だから、ストレートでブランデーグラスに入れて掌で温めてその香りを楽しみます。ワインや日本酒のようにたくさん飲むという種類の酒ではないようです。私はアイスクリームをつまみにブランデーをやるのが好きです。洋食のフルコースの後にはなかなかいいものです。太る心配のなかった頃が懐かしいなぁ・・・

1ドルが360円の時代から、240円、180円というようにどんどん円が強くなり、洋酒が身近なものになって来ました。昔はカミュのナポレオンが3万円なんて言われていたのですが、どんどん値段が下がって来ました。しかも海外旅行の免税店でさらに安く買えるようになって、ますます身近になり、味覚も磨かれて来ました。

イランでは高級なブランデーはブラックマーケット(闇市場)のせいもあって、日本の昔のような価格です。とても手が出るようなものではありません。イランに来る前にタイにおりましたが、タイでは税金が安いため洋酒は免税店に近い価格で買うことができます。この点でもタイは居心地のよい国です。

私はヘネシー派ですが、実は少し飽きて来てしまっています。そのお陰でイランで調達できなくてもあまり苦にならないのがラッキーでした。イランではヘネシーのVOクラスで8000円もしますから、調達可能と言われてもちょっと買う気になれないところです。

ブランデーでバカバカしかったのは、ドバイでのグラス一杯3万円というものだったでしょう。好奇心で注文しましたが、私が二人目のお客さんだそうでした。ルイ13世というものでしたが、個性の強い奇妙な味がしたものです。隣で家内が呆れて見ていましたけどね。二度目はないから、一生に最初で最後の経験になることは間違いありません。
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by elderman | 2006-02-01 14:00


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