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えるだま・・・世界の国から

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2006年 01月 26日

呑兵衛の戯言(3)ワイン

私のワインとの出会いは5歳の頃、七五三でポートワインを3杯くらい飲んで、あえなくダウンというものでした。それからは、ワインというものに出会うまでは相当の年数が掛かったようです。両親がワインを飲まないので、当然飲む機会はありませんでした。

ワインらしいワインを飲んだのは大学生時代だったと思います。赤ワインは渋くて美味しいとは思わなかったですね。白ワインはものによっては飲めるかなという程度でした。でも、世界で一番アル中の多いのはワインが原因だと知り、絶対に美味しいはずだと思ったものです。

ワインの味を本格的に知ったのは、やはり働いてからでした。金曜日はワインの日なんてキャッチコピーの乗せられたのか、デパートなどでワインを選んで買って帰るようになったのです。赤ワインはなかなか飲みにくかったと思います。その点、白ワインは口当たりがいいので、美味しいかなと思えるようになって来ました。

初めての食べ物や飲み物で、評判の高いものほど最初に美味しいと感じないという傾向がありそうで、特に醗酵を伴う製品についてはこれが当てはまりそうです。初めて飲んだ芋焼酎の臭みは朝まで口の中に残りました。果物の王様ドリアンだって、その臭いのせいで最初は相当抵抗があるはずです。

何回も飲んで馴れてくると次第に味のグレードが分かって来ます。高価なワインはそれなりに美味しいものです。日本の場合、一般の商品では品質管理というか、値段に品質が反映していることが多く、この点安心して買うことができます。東欧などで安くて美味しいワインに出会えれば、それが一番経済効果が高いと思えます。

次第に舌が肥えてきた私は、白ワインから苦手だった赤ワインに興味を持ち始めました。本当の味を知りたいと思い、3,000円も出して高級ワインを買ってみました。舌が慣れて来ているのか、美味しいと思いましたね。特に油っこい食事と一緒だと一層美味しく感じるようでした。もちろんチーズとの相性は抜群です。

赤ワインの味には様々なバリエーションがあるようで、白ワインに比べて奥が深く感じられました。渋味、甘味、酸味、深み、色など、ブドウの種類や産地によってずい分違います。そういう意味では、日本のワインがどれも同じような味なのには少し失望したものです。

日本にいる間に最高級ワインを飲んだことがありますが、コルクを抜いたところから香水のような香りが、粒粒のようになって飛んでくるという感じを持ったことがあります。一本2-3万円というようなワインでしたから、とても自分で買えるような代物ではありませんでした。その後、そういうワインを飲む機会はありません。

計算すると、ワインというのは他のアルコール飲料に比べると大変割高なんです。ビールの3倍のアルコールとして計算すると、ビール1リットルとワイン1瓶が同じでしょう。ビール1リットルなんて1000円はしないですね。ワインの場合は1000円でも買えますけど、1500~2000円は普通でしょうね。しかもワインの場合、瓶を空けたら全部飲んでしまいますから、一層割高感があります。高価なウイスキーでもブランデーでも、一回ではせいぜいボトルの3分の1ですから、3000円くらいの高級ウイスキーでも一回分は1000円程度ってことになります。日本では、日本酒や焼酎がこれより割安なのは当然ですね。

高級な赤ワインをレストランで注文したりしたら、目玉が飛び出ます。白ワインなら知れていますが、赤ワインとなるとまず財布が心配になります。レストランでは市販価格の3倍くらいの価格設定をしますから、大変なはずです。その点、持ち込み可能なタイのレストランなら気楽です。高級なワインをデパートで買って持ち込めます。しかも、タイでは市販価格まで安いと来ているからこたえられません。暑い国でワインというのは、暑い国で日本酒を飲むような雰囲気もありますが、タイの冷房は半端ではありませんから、案外いいものです。もちろんタイのレストランでワインを注文しても知れています。日本の3倍もの価格設定という訳ではありません。

やがて海外での仕事が始まり、フランス人の友人を持つようになりましたが、そのフランス人にとってワインというのは赤ワインでしかありませんでした。白ワインなんてワインではないという雰囲気でした。もっとも彼女の実家はボルドー地方なのでそういう感覚を持っていても仕方がないのでしょう。

イランでは滅多に白ワインが手に入りません。これもフランス人感覚のなせる業なのでしょうか。もちろん禁酒国ですから、闇で買うのが外国人が多いせいかも知れません。闇の値段は日本で買う2-3倍しますから、イラン人のお金持ち以外では論外な値段なのでしょう。

by elderman | 2006-01-26 11:22


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