えるだま・・・世界の国から

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2005年 12月 26日

専門家活動の紹介(11)全国的展開

ようやく専門家活動が軌道に乗ってきました。ラボラトリ局の二人の男性スタッフに毎週2回のセミナーを行い、データ管理と大気汚染メカニズムの講習です。カラジ市の女性スタッフが最近欠席がちだったのが足の骨折という事故のせいだと分かりました。彼女の回復を待って、いずれテヘラン州の中にあるカラジ市への技術移転は再開されるでしょう。

タブリーズ州に次ぐ各州への技術移転はケルマンシャー州を振り出しに再開されました。本庁のC/Pやスタッフも参加しました。ケルマンシャー州はテヘラン州局長の出身の地ということもあってテヘラン州局長もワークショップに参加してくれました。そのせいかケルマンシャー州の州局長が私たちを飛行場まで出迎えに来るという丁重な歓迎でした。

ケルマンシャー州のワークショップの参加者は30人にも及びました。現在のところそれほど大気汚染がひどいところだとは思えないのですが、昔は重工業が盛んだったと言います。イラン・イラク戦争でそのほとんどが破壊されてしまったので現在なお復興中だとのことでした。ケルマンシャー州はいずれ大気汚染の問題を抱えることになるだろうと予想されました。

(ケルマンシャーでのワークショップ)
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ケルマンシャー州の次のターゲットにしたのはヤズド州でした。ヤズドは拝火教の総本山という都市ですが、私はこれまで訪問したことはありませんでした。ヤズドの州局を訪問すると、折りしも新しい測定局を設置するというところでした。私はワークショップだけでなく、測定局の設置場所の技術相談にも応じることになりました。

こちらのワークショップには実際大気汚染を担当する技術者だけが参加し、内容は実務的ものとなりました。州局長が熱心であったこともあり、ワークショップ参加者は大変熱心に技術を習得していました。ワークショップでは私の代わりに本部のスタッフがインストラクションをするなど、イラン人によるイラン人への技術移転へと徐々にスタイルを変えています。私はいつまでもイランにいられる訳ではないので、私の帰国後のことも考えておかなければいけません。

(ヤズドでのワークショップ)
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ヤズドの次はケルマン州です。ケルマンシャー州とは方向が全然違います。ケルマンシャー州がイランの西に位置するのに対して、ケルマン州は南東方向になります。いずれも数百km以上離れています。飛行機で行けば1時間程度の距離です。

ケルマン州はヤズドよりも大きな規模の州都を持っていました。私は以前「死の町・アルゲバム」に観光に行く途中にケルマンに宿泊したことがあるのですが、その時には市街地を観察する時間はありませんでした。そのアルゲバムが地震で崩壊してしまったのはその直後でした。3万人を超える犠牲者を出してしまった大地震です。

公用車の運転手がその地震の際にバムにいたそうで、当時の話を生々しく語ってくれました。よく生き残ったものです。彼は当時軍隊に所属していて、大きなパイプの中に入ったから生き延びられたと話をしてくれました。

(ケルマンのワークショップ)
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ケルマンの次はシラーズです。シラーズは人口200万人に迫る大きな都市です。シラーズにはこれまでにフランスの大気汚染調査団が入ったりしていていたので、私のワークショップが果たして有効なものかよく分からなかったため最初は様子見にとどめることにしました。果たして訪問してみると、フランスの調査団は調査結果は残してくれたもののその後のフォローアップはないようです。

私たちは州局長から大きな期待を持って迎えられました。こちらでも新しい測定局の設置場所について専門家の指導を仰ぎたいという希望がありました。この時の訪問は現地の様子を知るということが主目的だったのですが、強い技術移転の要望があったので改めてワークショップ開催するということでシラーズを対象にすることにしました。

技術移転には時間が掛かるものです。こちらから彼らの現場に赴き、現場に即した技術指導をし、かつデータ処理システムを寄贈し、ワークショップで技術や知識などを習得してもらうということになります。

今後さらに、アフワーズ、エスファハン、マシャッド、アラックなどの州が控えています。来年2月には関係各州をテヘランに招待するという大きなワークショップを開催する計画を持っています。そのワークショップでは既に技術移転したデータ処理システムを使って各州の大気汚染の現状について発表してもらうつもりです。こうしたプレッシャーをかけながら技術移転を進めています。

(つづく)
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by elderman | 2005-12-26 17:34 | Comments(6)
Commented by mintogreen at 2005-12-26 20:19 x
読んでるうちにわくわくしてきました。着々と進んでいますね。
こちらからの働きかけ次第で、こんなに熱心に取り組んでもらえるとやりがいを感じますね。
これも、えるだまさんたちの大変な準備の成果ですね。
本当に素晴らしいお仕事ぶりに、改めて、敬意を表します。 敬礼!^^
もう少しだぞ、えるだまさん、がんばれ! 奥様が待ってるよ~ん。^^
Commented by kenbon at 2005-12-26 22:01 x
ゆっくりと撒いた種が芽吹いたのでしょうか?
いつか大輪の花を咲かせてくれる事を願っています^^

Commented by kaze at 2005-12-26 22:02 x
いつもとても興味深い話をして頂き、
えるだまさんの活躍が、とても嬉しくなりました。
現地での実績が大きな期待に変わっていく様子がよく解ります。
大変なお仕事をされていますね。
海外の専門家は日本では考えられないほどのマルチな能力が必要なのだと解ります。
えるだまさんの努力に感謝。
Commented by elderman at 2005-12-26 22:07
mintogreenさん、ありがとうございます。^^
実際、イラン人の手応えはいいものです。多少ゆっくりという感じはありますが、実際のところ彼らは正しい知識というものが欠如しているようです。そういう意味では自分の持っている専門知識というものをできるだけ多く移転してあげたいと常々考えております。
小説ではありませんが、次のパートから大きな問題が発生してきます・・・
Commented by elderman at 2005-12-26 22:08
kenbonさん、こんばんは。^^
そうですね、テヘラン州で3年間費やしましたから、今は信頼を勝ち得た成果の部分と言えるでしょう。大輪は望むところですが、この次の稿で大きな問題にぶつかります。
Commented by elderman at 2005-12-26 22:10
kazeさん、こんばんは。^^
まぁ、専門分野のことなので苦になることはないのですが、動けば動くほど手応えがあるというのは嬉しいことです。ヤリガイを感じます。


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