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2005年 12月 22日

専門家活動の紹介(9)環境局本部へ

ワールドバンクプロジェクトはワールドバンクのローンで大気汚染測定局を設置するというプロジェクトなだけですから、私は測定局設置の専門家でもないし、100%協力では完全に役務供与(イラン政府のために職員として働く)ということになってしまいます。私は大気汚染の全体を扱っている大気汚染研究局との協議を始めました。

(ワールドバンクプロジェクト内の執務室)
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実は、大気汚染研究局から日本政府に対して要請書が上げられ、専門家が派遣されるというのが本来の筋書きだったのですが、大気汚染研究局長が腰痛のため要請書の段階では3回もアポイントがキャンセルされたという経過がありました。そんな経過だったので、外国人専門家に対して何か悪い印象でもあるのかと思いましたが、ようやく面談できると話の分かるいい人だったので助かりました。

やがて、ワールドバンクプロジェクト側が私に用意した執務室ですが、そこから立ち退けと言ってくる始末です。もちろん立ち退くことに異存はありません。そして、私の執務室は大気汚染研究局の中に設けられました。上位機関でもあり、本来のポジションだと言えるものです。

(大気汚染研究局内の執務室)
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大気汚染局長は穏やかな人であらゆる摩擦を嫌うようで、ワールドバンクプロジェクトとの摩擦のないように対象州以外の州の面倒を見てくれと依頼して来ました。テヘランは3年間の実績という既得権がありますから除外して、残りはエスファハン、マシャッド、アラックの3州です。この3州について競合するような技術協力はしないでほしいと言われました。

大気汚染研究局長の考えでは、ワールドバンクプロジェクトと私の技術協力を別々の州で競合させたいというものでした。私は大気汚染という自然科学をテーマにした分野で競合なんてあるはずがないと内心つぶやていましたが、相手がそう見てしまうのですから仕方ありません。考えようによってはたった一人の専門家の業務がワールドバンクと競合できるものとみなされているのかと喜ぶ手もあるかも知れません。

私が大気汚染研究局に落ち着いた頃、事態は一層悪い方向に動き始めました。ワールドバンクプロジェクトが対象州を7州に増やしたいという話が出て来たのです。さらに、タブリーズ、シラーズ、カラジ市と増やすというのです。私の技術移転業務はその2州1市から締め出される事態になって来たのです。他にヤズド、ケルマン、ケルマンシャー、アフワズなどがあると局長は言いましたが、大都市を持つ州を対象にできないようではなんのための技術協力かと思わざるを得ませんでした。これでは任期途中での帰国も止むを得ないと覚悟したくらいです。

(つづく)
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by elderman | 2005-12-22 00:02


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