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2005年 12月 15日

専門家活動の紹介(6)プログラム開発

局内セミナーが終了する頃、データ管理に関して実際上の問題が出て来ました。大気汚染測定値は毎時測定されるので年間では8,760時間ものデータがあるのです。そして項目も数項目、気象測定を入れたら10項目以上になります。それを目で見るというのは至難の技です。

そこでしょうがない、私はプログラムも作れるので、データ管理用のプログラムを開発することにしました。データを目で見えるようにビジュアル化すれば、8,760時間であろうと一瞬にして特徴を知ることが出来ます。異常値もプログラムで検出して表示してあげればいいことです。こんなことはプログラムで簡単にできてしまいます。一般的に特注プログラムはコストが高くつきますが、私が作ってしまいますから、まぁ、問題はありません。

システムのメンテナンスを考え、言語にはビジュアル・ベーシックを使うことにしました。エクセルとの互換性がいいことも選択の理由です。実際データはエクセルからファイルに変換し、開発したプログラムで読み込みというデザインにしました。エクセル側ではマクロのプログラムでファイルを形成できるようにしています。こうして一年分のデータが一瞬にしてビジュアルなグラフィックな表現で表示されます。

その他、大気汚染緊急時対応用の48時間用のビジュアル表示プログラム、月単位のデータ管理用プログラムというものを開発して環境局テヘラン州局に提供しました。このシステムの提供により、環境局に公式データの整備という概念を技術移転し、月報や年報を作成することの指導ができます。

たくさんの表やグラフを同時に見ることがあり、また大気汚染の緊急時対応のための表示装置という意味もあるので、50インチのプラズマ・ディスプレイとセットで機材供与することにしました。という訳で、そのパフォーマンス、プレゼンス共にイラン環境局テヘラン州局の大きな評価を得たことは言うまでもないでしょう。見掛けはともかく、データ管理システムをちゃんと使えるように成長した州局のスタッフの技術水準の方がより重要なことです。

(データ管理用システム・・・ディスプレイの画像ははめ込み合成です。)
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セミナーはさらに続き、今度はシステムのメンテナンスのセミナーに切り替わりました。私がイランを去った後、誰かがシステムのメンテナンスができなければ、将来問題が起きたときに対処できなくなってしまいます。こちらのセミナーも3か月ほど継続しました。一応、参加者はビジュアル・ベーシックという言語をマスターしましたが、残念ながら新たにプログラムを組むというレベルまでには至りませんでした。そこまではちょっと無理でしょうね。

そうしているうちに環境局テヘラン州局は、私からの提案にしたがって「大気汚染情報センター」という設備を整えてくれました。大きな会議用のテーブルとデータ処理装置を置くための台、そして職員の執務空間が整備されたのです。

(大気汚染情報センター:環境局テヘラン州局内)
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大気汚染測定データのクォリティの向上のために様々な努力をして来ましたが、データ管理システムだけでなく、測定装置の老朽化した部品のスペア・パーツの交換や異常値の早期発見などの体制作りが功を奏して次第にデータの信頼性が向上して来ました。

私は3年間のデータを使って年報というもののスタイルを示し、州局のスタッフはそれを見本にしてペルシャ語で年報を作成することができました。私が派遣された当時の「ないよりまし」という状況から大きく進歩したものです。

(つづく)
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by elderman | 2005-12-15 00:14


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