えるだま・・・世界の国から

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2005年 10月 05日

月の砂漠(体験記)その2

カシャーンの町の東にはイラン最大の砂漠(ほとんどが土漠ですが)キャビール砂漠が広がっています。500kmくらいのスケールだと思います。その東側、カシャーンの近くは少し低くなっているところがあり、イランの国全体の地形の地図では湖のような表示になっている部分があります。実はここには塩が集まってきていて、冬と春の少しの降水の時期を除くと塩の湖になっています。

我々はその塩の湖を左手に見ながら砂漠を目指したのです。案内は元国立公園管理のレンジャーでプロのカメラマンもやっています。自然環境に精通した方で英語は不自由ですが、イラン人の友人であるプーファラディも一緒ですから問題はありません。そもそも今回の砂漠訪問は彼に頼んでおいてやっと実現できたものなのです。

駱駝の写真を撮り、さらに20分くらい進んだでしょうか、突然砂漠の山が見えてきました。これは小規模な砂漠なのでしょう、我々はそれを右手に見ながらさらに車を進めました。砂漠は平地で見られるのではなくて、なんと山のように見えたのです。また砂漠と砂漠でないところの境界は私の予想に反して明瞭に見られました。

遠くから見る砂漠の砂は周囲とは少し違った薄茶色で、ぬめーっとした均一な表面を持っていて、一見して砂漠と分かるものです。形状としては砂漠の写真で見かけることのできる三日月状の弧が確認できます。砂漠の砂は風に吹かれて移動します。つまり砂漠自身も移動しているのです。砂漠の風下では、草木が砂漠に飲み込まれているように見えます。

砂漠を見た第一印象は何か怖いものを見たというものでした。同時に思い出したものは「ネバーエンディングストーリー」の「無」だったのです。草木を飲み込みながら発達してくる砂漠、あの映画での「無」のイメージはひょっとして砂漠から得たものじゃなかろうか、そんなことを考えていました。

我々を乗せた車は、小さな砂漠には目もくれないでひたすら目的地に向かっています。小さな砂漠から離れ、再び普通の景色に戻ると、あの砂漠のところで止まってもらえば良かったかなぁ、写真も撮れたのになどと後悔していました。

やがて我々の行く手にお城の城壁のようなものが見えて来ました。ただ城壁だけで肝心のお城らしきものがないので、何のための建築物なのかはさっぱり見当が付きませんでした。車はその脇にある樹木の生えたところに向かっています。そこにはなんとプールのようなオアシスがあったのです。

カモとアヒルが泳いでいます。オアシスの管理人なのでしょうか、老人がのんびり仕事をしていました。我々のガイドは顔見知りらしく挨拶を交わしています。人間と同じくらい体重のありそうな大型犬が3匹遊んでいました。我々はここで休憩を取り、それからいよいよ目指す砂漠に向かいます。
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意味不明であった建築物は「キャラバン・サライ」であることが説明によって分かりました。キャビール砂漠の周辺に1000か所も配置されていたそうです。我々の止まったキャラバン・サライは1000年前に作られたものだということで、現在は復元作業が行われていました。

「キャラバン・サライ」は「隊商宿」とも翻訳されますが、要するに商いのために大勢がグループとなって隊商(キャラバン)を作り砂漠を移動します。その際に泊まる宿のことです。ですから砂漠の周辺のオアシスに設置される訳ですね。いにしえのペルシャ商人たちの行動が偲ばれます。

ここのキャラバン・サライは復元作業中であり、我々が中に入ると、「写真を撮ってはいけない」と若い作業員が言ってきました。なんでいけないのかは分からないのですが、プーファラディが親しげに話をすると、なんなく撮影の許可が出されました。さらにはキャラバン・サライの中庭でお茶をご馳走になり、一服することもできました。
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by elderman | 2005-10-05 10:43 | えるだまの観察 | Comments(2)
Commented by ひよこ.com at 2005-10-08 14:16 x
ちは!
ケルバンサライ。
トルコで何回か出会いました。
こんなにきれいなのは始めてみました
ほとんどみんな崩れ落ちそうなとこばっかだったなあ。
シルクロードを旅したいなあーと思ったもんです。ハイ。
Commented by elderman at 2005-10-08 14:26
ひよこさん、こんにちは。^^
シルクロードにはたくさんあるでしょうね。今でも宿泊できるところはあるようですから、是非宿泊してみたいものです。
古いままで残っているというのは難しいでしょうね。本当に崩れてくるかも。(笑)


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