2005年 09月 30日

ダ・ヴィンチ・コード

ダン・ブラウン著作の「ダ・ヴィンチ・コード」は世界的なベストセラーとのことです。そして2006年には監督ロン・ハワード、主演トム・ハンクスで映画化されるということです。私は英語版しか手に入らないので時間をかけて読みましたが、最後まで飽きることなく読み通すことができました。

シドニー・シェルダンの語り口に歴史的・宗教的知識を付加したような感じで、難しい用語が出てくる割には読みやすい作品でした。キリスト教に関する秘密がテーマなので、その記述内容についてカトリックから批難され、発行禁止騒ぎになったことはご存知の方が多いことでしょう。

ミステリー小説として楽しむこともできますが、私はどちらかというと宗教や芸術についていろいろと考えさせられました。そういう意味では筋書きだけを追うというような小説でない価値を持っていると思います。文学性はそれほど高いという感じはなかったのですが、原文なので読みやすい方が私には良かったかな。(苦笑)

キリスト教徒でない私にとって、イエス・キリストがマグダラのマリアと結婚していたというような話は別に何でもないことなのですが、カトリックの信者にとっては大変なことのようです。新約聖書の否定にもつながる話だから発禁騒ぎになるのでしょう。

イスラム教ではマホメットの家族という血は受け継がれていますが、キリストの血統というのはあまり話題に上らないようです。キリストに子供がいないということになっているからでしょうね。それにしても、聖杯伝説、テンプル騎士団、フリーメーソンとかいろいろ謎が多いようで小説家のインスピレーションを刺激するのでしょう。

因みにイランでは、エマーム(殉教者で聖人)の末裔は黒いターバンを頭に巻いています。それ以外の宗教家は白いターバンというように区別があります。

作者のダン・ブラウン氏は最初から映画化を想定してような感じの書き方に思えました。分厚い本ですが、まるで脚本みたいな感じです。ページ数はありますが、ストーリーの時間経過をみると2時間の映画で扱うのに丁度いい感じに思えます。ビジュアルな描写がその印象を一層強くしています。

個人的には暗号解読やアナグラムの部分はちょっとうんざりという感じでしたが、映画ならあっさり楽しめることでしょう。この小説を映画化して成功するかどうかは分かりませんが、アクション映画にはなりそうもないので、スリラーなのかミステリーなのか、その方向での演出をすることでしょう。ストーリー展開のテンポがいいのでハリウッド映画向きだと思います。

私はこの小説の前半の方が面白かったです。黄金分割、女神崇拝、ダ・ヴィンチの芸術、宗教における性、さまざまなシンボルの意味など興味深いものでした。歴史や宗教に関心があれば読書をお勧めしますが、インディ・ジョーンズ的なストーリーを期待するのでしたら映画の方が面白いかも知れません。
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by elderman | 2005-09-30 18:17 | 日々の雑感


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