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えるだま・・・世界の国から

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2005年 09月 22日

この2000年間の宗教について

私は日本という仏教国に生まれ、カトリックの国で生活し、イスラム教の国でも生活をしています。タイというまた別の仏教国でも生活をしたことがあります。そして、ずっと宗教について考え続けて来ています。未だに結論らしきものは見出せませんが、現在考えていることについて率直に書いてみたいと思います。

宗教に対する最大の関心事はどうして宗教が必要なのかということです。ないよりはあった方がいいというのでは答えにならないでしょう。私は無宗教な人間だと思っていますが、それぞれの宗教を知るにつれ、どれももっともらしく思え、同時にどれも本当ではないんじゃないかという気になります。

イランに来て、イスラム教以前の宗教を少し知ることができました。ゾロアスター教、またの名を拝火教と言います。善神と悪神のいる拝火教、面白いと思いました。そして半分人間で半分神のゾロアスターという主人公の存在も興味深いものです。

ところが私の最大の関心事は拝火教よりももっと古い宗教に移っていきました。それはミトラ教と呼ばれるものです。ペルシャ帝国の時代、拝火教が国教だったと言われていますが、それは一般人にとって分かりやすい宗教だったからではないかと思います。王族はミトラ教も信じていたという記述がありました。

ミトラ教は仏教にもキリスト教にも影響を及ぼしています。12月25日はミトラの誕生日だとまで言われているようです。キリストの誕生日でないことはもはや周知の事実ですね。キリスト教は歴史的には比較的新しい宗教ですから、いろいろな宗教の要素を受け継いでいると言うことができるでしょう。

宗教の国教採用というのは、政治家の利益の追求、あるいは妥協の産物と言えるかも知れません。国の統治のためにいろいろな形態で利用されて来たのが宗教というものの側面でもあります。そして、それが故に私のようなヘソ曲がり、あるいは懐疑主義者には多くの疑問が生まれて来るのです。

私の一つの大きな疑問は、なぜ女神崇拝が近代宗教から忽然と消えたかということです。言うまでもなく、子供を産めるのは女性に限ります。キリスト教以前、ユダヤ教はその先駆でしょうけども、それ以前には女神崇拝はあったのです。種の保存、生命の維持ということに関して女神崇拝は極めて自然な行為のように思えます。

ミトラはイランでは女性の名前です。ギリシャ神話には男神ゼウスと女神ヘレナがいます。それなのに約2000年前に女神崇拝が忽然としてなくなってしまったのです。仏教では観音様として影響を受けているようですが、あまり女神崇拝という概念はないようです。とすると、この現象はユダヤ教、キリスト教、そしてその後継でもあるイスラム教というこの2000年間に起きた現象のようです。

この2000年間に生まれた宗教を近代宗教と言いましょうか。ユダヤ教はもっと前ですが、先見の明があったのかも知れません。2000年前、人口が膨らみ、地域間の相互交流が活発になり、小さな社会では有効であった母系制では国の統治など社会的機能を維持できなくなったのではないでしょうか。

女神崇拝では母系制を否定できない、そこで意図的な宗教解釈が生まれたのではないかと考えます。つまり、その目的は女性の社会活動からの駆逐です。歴史の必然かどうかは分かりませんが、どうやらそういう動機が働いたような気がします。

女性は男性の肋骨から生まれたものだというような旧約聖書の話など、まさに女性の地位を貶めるために作り出されたとしか思えません。女性を社会から駆逐し、男性社会を築くという意図が感じられます。

私は男女が揃って、夫婦という形態のように、それで不完全な人間というものがより完全に近づくと思っています。ところが、女性の社会からの駆逐という男性社会の構築という偏ったものの成立のための手段として、宗教が利用されたということについて、どこかに根本的な間違いがあるのではないかと思えて仕方ありません。

2000年以上前、女性を社会参加させることによって酷い事例が多くあったのでしょうか。歴史の陰に女ありというように社会活動に参画させるとろくなことがないというのでしょうか。2000年が経過した今、過去を振り返ってみれば、戦争また戦争、男性社会がやって来たことは戦争ばかりだったような気がします。

女性のみなさんはどうお考えでしょうか、2000年もの間、男性社会を構築し、維持するために、女性の社会進出が阻まれて来たのかも知れません。もちろん、キリストやマホメットの意図ではないと思います。おそらくは宗教の政治的利用を図った人たちによる深遠な陰謀だったのではないでしょうか。こんな話、キリスト教徒もイスラム教徒も信じないでしょうねぇ。

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by elderman | 2005-09-22 12:44 | えるだまの観察


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